春GT増設案
春に牝馬のGTを! JRAにも投書した管理人独自の新GT構想です。


 現在、中央にはGTが23レースある。それぞれが馬や関係者が最終目標にしているものであり、数こそ少なくないがその意義は明確である。

 その中で、一つ思うことがあるが、なぜ古馬牝馬の春GTが存在しないのか。

 JRAのGTを頂点とする年間の競争体制・競馬番組はほとんど完璧であり、2歳時には牡牝別に(昨年から朝日杯に牝馬も出走可)一年に1回ずつ、3歳(限定)では牝馬に3回、牡馬に4回、古馬になると適性によって選択肢が増え、牡牝混合で、スプリント2回、マイル2回、中距離2回、長距離(2400m以上)3回、ダート2回(それもマイルと中距離・ほかに統一GT)、さらには障害が2回とどの路線でも一年に春・秋最低1回ずつ、しかも一頭がある程度路線を重複して参加でき、これが多くのファンの気持ちを掴む心憎いほどの計算された仕組みであると思われる。

 しかし、残念ながら牝馬に限ると、3歳時には能力(実績)がある馬は、桜花賞・オークス・秋華賞・エリザベス女王杯と4つもの牝馬限定戦に出走できるのに対し、4歳以上になるとエリザベス女王杯のみとなり、春は休むか牡馬との混合別路線を選ぶかの二通りになってしまう。せっかく3歳秋に良い成績を残した馬でも、4歳春にこれといった目標を無く、もしくは高すぎる目標目指して使い続けて調子が狂ってしまうケースも考えられる。これだけが理由ではないであろうが、最近のファインモーションやスティルインラブはこれに該当するような気がする。もっともメジロドーベル・アドマイヤグルーヴのようにしっかり結果も残せた馬もおり、こんな条件下でGT連覇できたことは最大の賛辞を与えられるべきであろう。しかし、特に短距離に適正がある晩成牝馬には、一年に一回ぐらい光が当たる場があれば良いと思うのだが。

 そこで具体的に思うのは、春のクラシック開幕前後に1400〜1800mぐらいの距離で牝馬限定GTレースを導入して欲しい。もっと具体的に述べると、京都1600・京都1800・阪神1600・中山1800のうちどれかが良いではないかと思う。

 京都コースの向こう正面スタートでは、紛れも起きず、コースによる有利不利も無く最強馬を決めるにはもってこいである。最近の天皇賞・春に牝馬があまり出てこない現状を考えると、天皇賞では春の牡馬ナンバーワンを決め、新GTで牝馬ナンバーワンを決め、宝塚記念で対決できるというパターンが想像できうる。もしくは安田記念で牡馬マイラーとの決戦というストーリーも組めるであろう。もし現状の競馬番組をなるべく崩さずに組み込むならば、京都開幕にあたる天皇賞の前週、もしくは思い切って天皇賞前日の土曜とか、天皇賞の前のレースとかに組み込んで、東京のジャパンカップウイークや、今年のゴールデンジュビリーデイのように一つのイベントとして、新しい企画を組むのも一案ではないかと思う。ただ、この時期は牝馬の繁殖真っ最中であり、繁殖を早くしたい関係者から見ると、ここを花道に引退させることが難しくなることも考えられる。

 阪神コースは近々外回りコースを作ることになると聞いている。桜花賞が行われる阪神1600も、1コーナー引き込み戦スタートを廃止し、こちらも不利の少ない向こう正面ストレートコースのスタートになるということである。そうなれば阪神コースを使い、2歳・3歳・古馬で全く同じコースを使っての女王決定戦を行うのも一興かと思われる。生産関係者も、年齢ごとの同じコースでの勝負ということで産駒の早熟・晩成を見極める指標ともなり得るであろう。開催時期は、3歳中旬の春クラシックのトライアル中に組み込むのが面白いのではなかろうか。またこの時期だと、この一戦を使って引退させやすくもなるはずである。

 関西に牝馬GTを増やすと東西配分上問題なのであれば、中山牝馬ステークスをGTに昇格させて、日曜日に移動させても良いと思う。このレースで馬を引退させるケースも多いようなので、この案も現実的ではなかろうか。もっとも、全体的なGT数を見ると関東にGTが固まってしまうことにもなるが…。

 と、一ファンの勝手な見解を長々と述べさせていただいた。個人的には、今でも充分JRAの競馬は面白いのだが、以上の方法を使うと今よりももっともっと競馬にストーリー性が増し、より多くのファンの心を掴むことができるはずと、私は確信している。GTを増やしすぎという考え方もあるかと思うが、実際にこれまで多くのファンを獲得し、支持されてきたやり方であると思うので、その方向性で行くのであれば、やはりもう一レース必要だと思うのである。
('04.12.8)

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