祝・ヴィクトリアマイル設立!
JRAは、2006年度より、牝馬のGTヴィクトリアマイル競争の開催を決定しました。


 先日、JRAが来年度(2006年度)の開催事業計画を発表した。来期の改革は、阪神競馬場の馬場改造工事とそれに伴う及び馬場変更(阪神JFは芝外回り1600)及び振り替え開催(宝塚記念は京都開催)も含まれているが、たいへん大型な番組改正がその主である。

 短距離路線の整備を中心に、セントウルSの格上げ・オーシャンS及びキーンランドCの新設とクリスタルCの廃止・札幌記念の負担重量定量化・阪神牝馬Sの距離短縮と施行日移動・ダービー日限定の薄暮開催と目黒記念との同一日施行などが大きな変更点であるが、その中でも最も大きい話題は、ヴィクトリアマイル競争の新設である。

 このレースの格はGT。実施日は、来年は5月14日。今年まで京王杯SCが行われていた週で、GTで言うとNHKマイルCとオークスの間の週にあたる。ちなみに来年から京王杯は土曜日に行われる。コースは、東京の芝1600。そして、出走条件は、4歳以上牝馬限定である。

 このコラムを読んでいられる方は御承知かと思うが、同コーナーのコラム「春GT増設案」で記したように、この時期での古馬牝馬短距離GTの設立は、当ホームページ管理人の持論であり、念願であった。そして、去年の年末には、JRAに、そのコラムと同内容の意見をJRAに対して投書していた。

 そして今回の定期開催計画発表の中に、私の意見を聞いていたかのように新しいGTレース設立の項目が記されていたのだ。この一報を手にしたとき、私は感激し、痛快の念を感じ、涙が溢れそうになった。例えるなら、今年小泉内閣総理大臣が郵政民営化法案を可決させた時の本人の気分と、きっと同じような感覚を持った。


 私の主張の中には、東京1600の提案を含んでいなかった。というのは、東京でのGT開催数は最多であり、また天皇賞(春)と相対するレースをイメージしていたので、施行時期を考えて東京での開催は想定していなかった。この東京実施により、来年は、同場でのGTは9レースとなり、中山4レース(プラス障害2レース)・京都5レース(来年は6レース)・阪神3レース(来年は2レース)・中京1レースと、他場に比べて断トツの多さになってしまった。しかも、春はNHKマイル・ヴィクトリアM・オークス・ダービー・安田記念と、5週連続の同一場GT開催となる。ただ、東京は日本の首都でもあるし、観客動員を狙うのであれば、大工事をして新しく生まれ変わった東京競馬場を使いたいと言うのであれば、わからないことはない。

 また、コース形態や適正から、ヴィクトリアMの勝馬は安田記念挑戦を狙うのが自然の流れとなるであろうが、中2週での出走となり、牝馬にとってはややきついローテーションとなってしまうのが難点である。ただし、NHKマイル→ダービーの中2週で使う馬も増えており、今年の最優秀牝馬候補のスイープトウショウは、秋の天皇賞→エリザベス女王杯の中一週の強行軍をものともせず女王杯を制覇した例もあるので、不可能とは言えない。

 まだ実施形態に若干の論議を要する部分もあるが、何といっても、これまで存在しなかった春の古馬牝馬GTというカテゴリー・マイルの短距離古馬牝馬GTというカテゴリーで開催することには大いに意義がある。これにより、年間を通して一流牝馬に主役として活躍する舞台が与えられる。もはや、春に牡馬の陰に隠れてひたすら地味で苦しい競馬を強いられることも無い。ヴィクトリアMでマイル女王に選ばれた牝馬は、その看板を片手に安田記念なり、宝塚記念で人気を集めて出走できる。

 阪神JFや桜花賞のように、早い時期で終了してしまうマイルGTに対応できなかった遅咲きの短距離型牝馬にとっては、充分に成長し、持てる能力が完全に開花したその歳に、GTという最高の舞台で自分の力を牝馬同士で試すことができる。今までの番組編成では、無理に中長距離に転向させられたり、牡馬と戦うことでその実力が今いちはっきりしないままで終わった馬もいたかと思う。ヴィクトリアMの存在は、そんな晩成短距離馬の繁殖能力を探る物差しとして明確になり、生産に携わる関係者にとってもありがたいことであろう。このことは、本来のGT開催意義(繁殖能力馬の選定)に100%のっとっているものである。さらには、短距離型牝馬の競争生活を伸ばすことにもつながるだろう。


 まだ一回も実施していないこの時期に、今後この新GTがどういう方向性に向かっていくかはまだ想像するに難い。しかし、私はこの競争が馬にとって、ホースマンにとって、ファンにとって必要性の高く、また必ずや楽しみ・喜び・幸運、そして感動をもたらすGTになるだろうと確信している。

 今回、私の投書が、新GT設立のきっかけになったのか、またはどれだけJRAをこのような決定に踏み切るまでの後押しになったかは知る由もない。この新GT設立は、競馬のことを本気で考えている人間なら浮かんできた案であろうし、今年のスイープトウショウやヘヴンリーロマンスのような牝馬の台頭がもたらした結果なのかもしれない。しかし、最低でも私の意見は、一ファンの要望として、この案を推した人には少なからずも心強いものになったに違いない。そして、開催決行が決まった後、私の「春GT増設案」の中で記したような、馬場を選定するにあたっての議論は必ずあったはずである。

 どのようにせよ、結果的には、「あいうま」管理人の意見に耳を傾け、それを実行した形になったJRAに対して、最大の敬意を払い、感謝の念を述べる。そして、これからJRA・日本中央競馬会が、馬をファンを大事にする気持ち、若しくは大事にするために真剣に考え、それが表現され続ける間は、わたくし・「愛すべき馬たちへ…」の管理人は、生涯JRAを支持し続けたいと思う。

 そこで、私は高らかに宣言したい。そしてこのGT競争が存在し続ける間は、独りでもずっと言い続ける。このホームページをご覧になっている方も限られているであろうし、多少大げさに言ってもどこにも迷惑は掛けないであろう。

GT・ヴィクトリアマイルを作ったのは、俺だ!!!

 ('05.11.21)

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