チャンピオンズC・ベスト3

第3位
2002年 イーグルカフェ(デットーリ)
 JCダート開催3年目は中山で行われた。
  そんな中、人気の中心になったのは
  ダート転向初戦でぶっちぎりを演じたアドマイヤドン、
  3歳ダート路線の王道を突き進んできたゴールドアリュール、
  交流重賞勝ち鞍を地道に積み重ねてきた
  古豪トーホウエンペラーあたりだったが
  内を突いて先頭に飛び込んできたのは
  二年前のNHKマイルカップの覇者、イーグルカフェだった。
  鞍上は誰かと思えば、世界の名手ランフランコ・デットーリ。
  翌日のジャパンCも、混戦を制して
  二日連続のフライングディスマウントを披露。
  彼の華麗な手綱さばきだけが目立った週末だった。
第2位
2008年 カネヒキリ(ルメール)
 すでにJCダートやフェブラリーSなどダートGTを4勝し
  完全にダート王者としての地位を確立したカネヒキリだったが、
  南部杯を前に、競走馬としては致命的な屈腱炎を発症。
  一年後にやっと復帰できるところまで回復した矢先、
  なんとまた浅屈腱炎に冒され、手術まで施される羽目になった。
  さらに治療期間を要し、復帰が叶ったのは2年4ヵ月後。
  そのレースも9着に敗退して、故障の代償の大きさが取りざたされた。
  そして挑んだ故障明け初出走のGTは
  3年前に勝ったこのレース。
  内から早めに抜け出し、成長著しいメイショウトウコンや
  彼の休養中にダート王者の名を欲しいままにしていたヴァーミリアンの
  激しい追い上げに迫られるも、
  結局最後まで先頭を譲ることなく押し切った。
  不治の病と言われた大病を克服し、奇跡的な復活。
  その後も交流GTを連勝し、ダート王者の名誉と栄光を完全に取り戻した。
第1位
2001年 クロフネ(武豊)
 天皇賞出走を阻まれた成り行きでダート転向すると、
  武蔵野Sで9馬身ぶっちぎる離れ業を見せ、
  世間をアッと言わせたさなか
  ダート二戦目は開催二年目の国際GT。
  アメリカからのダート一流馬リドパレス参戦で
  レースレベルが一気に上がった。
  だがこの馬に関しては、誰が来ても子供相手のようなものだった。
  向正面で一気にまくりをかけて3コーナーで先頭に立つと、
  あとは、ただただ後続を突き放すのみ。
  フェブラリーS優勝経験馬のノボトゥルーが激しく追撃を挑んだが、
  直線半ばでスタミナが尽き、脱落。
  変わって3連勝中で伸び盛りのミラクルオペラ、
  昨年もの凄い時計を出した初代JCダート馬ウイングアローが
  末脚を伸ばしてきたが、
  クロフネはその7馬身先で、既に流して駆けていた。
  タイムは良馬場なのに、なんと2:05.9というとんでもないレコード。
  芝もダートも2100mのレースが少ないので比較が難しいが、
  同年の宝塚記念から6秒引いたタイムが2:05.7とすれば
  その凄さが伝わるだろうか。
  格・メンバー・タイム・着差・展開、
  どの観点から切り取ってみても、これが最高位のレースだろう。
番外
2010年 トランセンド(藤田)
 この年の、あいうま管理人こと
  私のGT予想は惨憺たるものだった。
  ここまでの18レース中、当たったのは1レースのみ。
  そのエリザベス女王杯も配当13200円という
  利益を得たとは言えないような状況であった。
  ボーナスレースである当レースで起死回生を狙ったのは
  みやこSの覇者トランセンドと
  武蔵野Sの覇者グロリアスノアの馬連。
  トランセンドの方は1番人気だったが、
  直結重賞の勝ち馬同士で40倍以上つくというのは
  正に人気の盲点と言えるおいしい組み合わせだった。
  レースは、逃げたトランセンドに
  抑えで買っていたバーディバーディが必死に食い下がる展開。
  馬券が当たる、という意味では
  そのままでのゴールインでも良かったのだが、
  こういう形になると二番手がずるずる下がり、
  いつの間にか馬券圏外に消える流れになるのが
  よくあるパターンで、2頭の競り合いを固唾を飲んで見守っていた。
  そこに残り100mあたりで、馬券本線のグロリアスノアが
  外から豪快に突っ込んで来たのが視界に入ると、
  少なくともどちらかの馬券は、間違いなく的中することを確信した
  私は軽いトランス状態に入った。
  後はグロリアスノアが二番手を捕らえるかどうかだったが、
  イメージしていた理想の読み通りに、
  見事にノアはバーディバーディに追いついた。
  競馬静観派の私も、さすがに沈黙を守れず
  中山で独り、「よっし」と声を静かに漏らし
  右手は握りこぶしを作り、震わせていた。
  HP上での配当は52万円を超え、
  42万円以上もあったトップとの差を一瞬でひっくり返し、
  ぶっちぎりのドンケツから一転
  年間賞金王返り咲きへつながる、奇跡の大逆転に成功した。


 
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