近年、障害馬と言えば、平地での成績に限界が見え、活路を見出すために転向することが
多いが、このグランドマーチスは、準オープンレベルから障害に移った。
この馬の飛越センスは類稀なるもので、前脚をくるっと丸めて高くジャンプし障害を飛び越え
る姿勢は美しく、39戦の障害戦の中で落馬したことは一度もない。調教中では、主戦の寺井
を乗せての稽古中、あまりの力強い飛越のため、騎手がたまらず振り落とされたと言うエピソ
ードもある。
グランドマーチスはあまりに強すぎたため、賭けの意味が無いと言うことで、斤量の規定が
変わり、中山大障害は、過去に一勝するごとに2キロ増しという過酷なルールが定められた。
その結果、5連覇の掛かるレースで66キロを背負わされ(大障害未勝利牡馬は58キロ)、さす
がに逃げ馬を捕らえられず2着に敗退した。さらに京都大障害で4連覇を狙い、67キロで出走
したが、レース中に故障し引退した。まあ、当たり前と言えば当たり前であるが。 |