第3位
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2007年 ダイワスカーレット(安藤勝) |
チューリップ賞でウオッカに一見完敗したように見えたダイワ。
安藤騎手は相手が来るのを待って追い出したことを反省し、
本番では自分の競馬に徹することを誓う。
レース中盤、勢いよく上がっていくアストンマーチャンに即発され、
釣られるようにペースをあげるダイワスカーレット、
それを見てウオッカも追い上げていく激しい展開になった。
直線では早めに仕掛けたダイワに
ウオッカが猛然と追い上げる一騎討ちの体勢に。
しかし着差は思ったより詰まらず、1馬身半差をつける快勝。
これが、伝説のライバル牝馬対決の序章となった。 |
第2位
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1989年 シャダイカグラ(武豊) |
単枠指定の大外18番枠での出走だったが、
発走前から酷い入れ込みで、案の定スタートは出遅れ。
しかしデビュー4年目となる武豊騎手は全く慌てず、
早々に馬を内に入れ経済コースを取る。
最後の直線で抜けたホクトビーナスを猛追。
ゴール寸前で捕らえ一番人気に応えた。
落ち着いた騎乗が光った見事すぎる差し切り劇に、
「わざと出遅れたのではないか?」という噂も立つ程だった。 |
第1位
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1975年 テスコガビー(菅原泰) |
東京4歳S(共同通信杯の前身)では、
後の二冠馬となる同じ逃げ脚のカブラヤオーと対戦。
ここではハナを譲り、結果もクビ差の二着。
しかし一流牡馬とこれだけやれることは、充分な強さの証明だった。
次走の阪神4歳牝馬特別はレコードで逃げ切り。
そして桜花賞は、単勝1.1倍の圧倒的人気で迎えた。
22頭立ての中、悠々とハナを叩き、道中はしっかりと折り合い、
充分な差をつけた状態で直線を向くと、ここから更に後続を引き離す。
逃げ馬なのにラスト1ハロンを11.4でまとめ、
「大差」をもって大楽勝。タイム差にして1.7秒もついた。
これについて来ようとした先行馬は総崩れ、
勝ちタイムもレースレコードで、13年間も破られなかった。
着差・タイム・内容、全てにおいて最強。文句無し、ダントツの桜花賞第一位!
杉本アナの、「後ろからはな〜んにも来ない!」「いや〜恐れ入った!」の
名実況はあまりにも有名。 |
番外
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1966年 ワカクモ(杉村) |
母のクモワカは指定伝染病「伝貧」に冒されていると診断され、
法的に殺処分される事が決まった。
しかし決定的な感染の証拠が無く、
陰性を信じる厩舎関係者は隠すようにクモワカを保護。
結局殺処分延期のまま、繁殖馬として交配されたが、
協会から産駒の登録が認められず裁判沙汰に。
長期間にわたる関係者の苦労の末ようやく和解に至り、
クモワカは公的に繁殖馬として認められ、その末に産まれたのがワカクモ。
そしてこの馬が桜花賞を制すことになる。
後にワカクモも繁殖入りし、
顕彰馬テンポイント、最優秀障害馬キングスポイントを産み、
稀代の名牝となるのである。 |