フェブラリーステークス
【レース概要】
 日本競馬は、長く芝レースを主とするヨーロッパのレース体系を基本とし、ダート路線の
整備が遅れていた。そんな折、アメリカでダートレースが普及したのを皮切りにこのレー
スがハンデGVとして'84に新設され、その後別定GUを経て、'97にマイル戦のダート最
高峰レースとして定量のGTとなった。'07からは国際競争に指定された。現存するJRA
ダート重賞の中では最古参である。

 GT昇格直後は出走メンバー構成がやや薄弱だったが、地方を含めるダートグレードの
整備が進むと共に、年々強豪実績馬が集まるようになり、今やダートのオールスター戦、
またUAEのドバイワールドCの壮行戦として使われることもしばしばである。

【'12までのレースの傾向】
 秋のJBCクラシックやジャパンCダートと比べると、やはり短い距離に向いている馬の活躍が多いが、安定感のある一級線の中距離型名馬は力でねじ伏せることも多い。あるいは、秋や年明けの連勝の勢いを借りて一気に頂点に達するものもいた。

 良馬場でも時計が出て、スピード能力が必須。前半から速いタイムで流れるので、内をきっちり廻る必要は無く、差し馬は外から脚を伸ばしても勝負になる。ダートではなかなか厳しい35秒台の上がりが要求され、東京特有の決め手の争いになる。馬場が悪化すると更に時計が速くなり、レコード級の超スピード競馬になるので注意が必要だ。

 スタート直後100mは芝という特徴的なコース。芝に全くむかない馬はダッシュがつきづらく、特に先行タイプの馬は出だしで失敗すると致命的だ。過去に芝でそれなりの成績を得た馬には心強い点だが、かと言っていきなりの転戦では意外に難しく、前走芝レースで連対したのは既にダートの実績を持っていたアグネスデジタルだけ。初ダートで好走したのは、三着に入ったトゥザヴィクトリーくらいだ。

≪レース観戦のポイント=スタート・決め手
人気馬の信頼度(過去10年)<高い>
  1番人気【7-0-1-2】
  2番人気【0-2-2-6】
  3番人気【1-4-1-4】
  4番人気【0-1-2-7】
  5番人気【0-2-0-8】
 開催当初は、荒れ気味だったが、最近は人気上位馬が順当に優勝しており、二着にもそれなりの馬が入ってくる。穴を狙うには人気薄の三着入着に期待したい。
年齢(過去10年)<4・5歳が有利>
  4歳【4-4-1-31】
  5歳【4-2-2-18】
  6歳【2-1-5-39】
  7歳【0-2-2-22】
  8上【0-1-0-18】
 近年は4・5歳馬が安定しているが、馬券範囲内まで視点を広げると、実績のある高齢馬も健闘しており、連勝馬券のヒモとして考える必要がある。
脚質(過去10年)<逃げ・先行有利>
  逃げ【2-0-0-8】
  先行【4-5-5-25】
  差し【3-2-5-50】
  追込【1-3-0-44】
 東京の直線は長く、スローにはなりにくいので、最後の直線で外に持ち出しても充分に届く。ただし近年は底力の有る先行人気馬が踏ん張ることが多く、数字上では差し馬よりも信頼できる。
枠順(過去11年・'03除く)<8枠有利>
  1枠【0-2-2-18】
  2枠【1-1-1-18】
  3枠【0-2-1-19】
  4枠【0-2-0-20】
  5枠【2-2-1-16】
  6枠【2-1-1-18】
  7枠【1-2-0-19】
  8枠【5-0-4-11】
 ダートなので、開催末でも内外の馬場状態差は気にする必要はなし。最初のコーナーまでは長い直線なので、理論上枠順の有利不利はないはずだが、実際には内枠が不振。1〜4枠で勝ち馬はただ一頭。一方で8枠は、フルゲートが16頭なので二頭しか入らないにも関わらず、勝ち馬が半数も出ている。
臨戦過程(過去10年)<JCダート組優勢>
  JCダート  【4-0-0-4】
  東京大賞典【2-3-4-7】
  根岸S   【2-1-3-45】
  川崎記念 【1-4-1-13】
  平安S   【1-1-1-24】
 JCダートからの直行組が強く、それが一番人気だとまず負けない。その他の路線からはまんべん無く好走馬が出ている。どれもシンプルに、前走で勝っていると勝率が高くなり、着順が悪くなる分結果を出すのが難しくなっている。
牝馬(過去10年)<最近は不発>
  【0-0-0-5】
 ダートA級の牝馬が最近いないこともあるが、2001年のトゥザヴィクトリー以来、三着にも来ていない。

管理人が選ぶフェブラリーSベスト3


東京・ダート・1600m・4歳上
優勝馬
性年
タイム
騎手
備考
2013 グレープブランデー 牡5 1'35"1 浜中俊
2012 テスタマッタ 牡6 1'35"4 岩田康誠
2011 トランセンド 牡5 1'36"4 藤田伸二
2010 エスポワールシチー  牡5 1'34"9 佐藤哲三
2009 サクセスブロッケン 牡4 1'34"6 内田博幸
2008 ヴァーミリアン 牡6 1'35"3 武豊
2007 サンライズバッカス 牡5 1'34"8 安藤勝己
2006 カネヒキリ 牡4 1'34"9 武豊
2005 メイショウボーラー 牡4 1'34"7 福永祐一
2004 アドマイヤドン 牡5 1'36"8 安藤勝己
2003 ゴールドアリュール 牡4 1'50"9 武豊 中山・1800m
2002 アグネスデジタル 牡5 1'35"1 四位洋文
2001 ノボトゥルー 牡5 1'35"6 O.ペリエ
2000 ウイングアロー 牡6 1'35"6 O.ペリエ
1999 メイセイオペラ 牡6 1'36"3 菅原勲
1998 グルメフロンティア 牡7 1'37"5 岡部幸雄
1997 シンコウウインディ 牡5 1'36"0 岡部幸雄

※1984-1993はGV・1994-1996はGU   

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