ジャパンカップ
【レース概要】
 世界に通用する馬作りが提唱されて以来、国際レースの実施は当面のJRAの目標で
あった。関係者の血のにじむような努力の末ついに、日本初の国際招待競争JCは'81に
開催され、'92にはICSC(国際セリ名簿基準委員会)により国際GTに認定され、名実共
に世界に認めれられるGTに仲間入りした。

 設立当初は外国馬の強さになす術も無かったが、年々日本馬のレベルも向上して上位
を独占するのも珍しくなくなり、今では世界に挑戦する舞台ではなく、堂々世界を迎えう
つ舞台に変化してきた。優勝賞金2億5000万円は日本国内の全競走の中で最高額であ
り、世界的に見てもかなりの高額賞金だ。

 第一回よりずっと11月最終週で行われてきた。国内最大で最も歴史ある国際競争だ
が、近年はアメリカのブリダーズカップや香港国際競争の隆盛に押され気味で、JC開催
時期や開催意義を見直すべきだという意見もある。

【レースの傾向】
 外国馬に歯が立たない時期もあったが、近年は圧倒的に日本馬有利。その背景には、もちろん日本馬の能力上昇もあるが、力のいる馬場とスロー中心の欧州競馬とは一線を画している点が大きい。それは凱旋門賞馬の未勝利という点にも表れている。注目すべきは速い時計を出したことがある、軽い馬場に対応できそうな馬、例えば北米・香港・ドバイ・イタリアで経験のある人気薄の外国馬だ。ちなみに全海外招待馬の成績は、過去10年で【2-1-1-49】。

 注目すべきは馬より騎手の方で、外国人ジョッキーは外国馬・日本馬にとらわれず、日本人騎手と互角以上の結果を出している。【5-6-5-62】の実績は、脅威の一言だ。

 そんな中、餅は餅屋というか2400mの実績は必須条件。近3走で2400mの重賞で勝ち負けをしているような馬でないと、勝つのは容易ではない。

≪レース観戦のポイント=外国人騎手・決め手
人気馬の信頼度(過去10年)<普通>
  1番人気【3-2-4-1】
  2番人気【1-3-1-5】
  3番人気【1-0-1-8】
  4番人気【2-1-0-7】
  5番人気【1-2-0-7】
 かつては外国馬と日本馬の力関係を推し量るのが困難で、人気馬が勝てない難解なGTとして有名だったが、日本馬が上位を独占するようになってからは、前評判通りの結果で収まることが多くなってきた。過去10年で、1〜3着まではほぼ5番人気までの馬で決まっている。また1番人気馬は、3勝だが複勝率90%と、かなりの安定感がある。
年齢(過去10年)<4歳中心>
  3歳【1-4-4-28】
  4歳【5-3-3-36】
  5歳【3-2-2-32】
  6歳【1-1-0-21】
  7上【0-0-1-19】
 天皇賞やマイルCSと同様、一般的なサラブレットとしての全盛期がはっきり現れている。4歳が断トツだが、3歳も連対馬が5頭おり悪くない。高齢になるほど苦しい。
脚質(過去10年)<差しが圧倒的に有利>
  逃げ【1-0-0-10】
  先行【1-5-3-32】
  差し【8-3-5-51】
  追込【0-2-2-43】
 開催末ではあるものの、ペースは序盤から速くなりがちで、先行で押し切るのはかなりの芸当。地力と決め手を兼ね備えていなければならず、先団を視野に入れつつ東京の長い直線で末脚が存分に行かせる差し馬が断然有利だ。スローペースになれば、現代競馬特有の上がりの速さが求められる。
枠順(過去11年・'02除く)<フラット>
  1枠【2-1-2-13】
  2枠【1-0-1-17】
  3枠【2-1-3-13】
  4枠【1-0-2-16】
  5枠【1-4-1-13】
  6枠【1-1-1-16】
  7枠【1-0-0-24】
  8枠【1-3-0-22】
 開催末だが、頻繁にレコード級のタイムが飛び出しており、馬場の荒れはひどくない。最初のコーナーまで充分に距離があり、差し馬中心の傾向では、枠の有利不利は生じにくい。
臨戦過程(過去10年)<GT連戦組が優勢>
  天皇賞・秋  【4-6-6-39】
  凱旋門賞  【2-0-1-8】(フランス)
  菊花賞    【1-3-1-15】
  京都大賞典 【1-0-0-4】
 日本馬の前走は、GT・天皇賞や菊花賞が中心。出走枠が限られているので当然かもしれないが、やはりそこで掲示板に載るほどの実力者は力を発揮する。
牝馬(過去10年)<再び活躍>
  【2-1-3-18】
 新設当初は外国の牝馬が活躍。90年代後半では日本牝馬の連対が相次いだ。新世紀になってしばらくはおとなしかったが、近年の牝馬活躍の流れはこのレースでも。日本の女傑が活躍するパターンがまた増えてきた。

管理人が選ぶジャパンカップベスト3


東京・芝・2400m・3歳上
優勝馬
性年
タイム
騎手
備考
2013
2012 ジェンティルドンナ 牝3 2'23"1 岩田康誠
2011 ブエナビスタ 牝5 2'24"2 岩田康誠
2010 ローズキングダム 牡3 2'25"2 武豊
2009 ウオッカ 牝5 2'22"4 C.ルメール
2008 スクリーンヒーロー 牡4 2'25"5 M.デムーロ
2007 アドマイヤムーン  牡4 2'24"7 岩田康誠
2006 ディープインパクト 牡4 2'25"1 武豊
2005 アルカセット 牡5 2'22"1 L.デットーリ
2004 ゼンノロブロイ 牡4 2'24"2 O.ペリエ
2003 タップダンスシチー 牡6 2'28"7 佐藤哲三
2002 ファルブラヴ 牡4 2'12"2 L.デットーリ 中山・2200m
2001 ジャングルポケット 牡3 2'23"8 O.ペリエ
2000 テイエムオペラオー 牡4 2'26"1 和田竜二
1999 スペシャルウィーク 牡4 2'25"5 武豊
1998 エルコンドルパサー 牡3 2'25"9 蛯名正義
1997 ピルサドスキー 牡5 2'25"8 M.キネーン
1996 シングスピール 牡4 2'23"8 L.デットーリ
1995 ランド 牡5 2'24"6 M.ロバーツ
1994 マーベラスクラウン 騙4 2'23"6 南井克巳
1993 レガシーワールド 騙4 2'24"4 河内洋
1992 トウカイテイオー 牡4 2'24"6 岡部幸雄
1991 ゴールデンフェザント 牡5 2'24"7 G.スティーヴンス
1990 ベタールースンアップ 騙5 2'23"2 M.A.クラーク
1989 ホーリックス 牝6 2'22"2 L.A.オサリバン
1988 ペイザバトラー 牡4 2'25"5 C.マッキャロン
1987 ルグロリュー 牡3 2'24"9 A.ルクー
1986 ジュピターアイランド 牡7 2'25"0 P.J.エデリー
1985 シンボリルドルフ 牡4 2'28"8 岡部幸雄
1984 カツラギエース 牡4 2'26"3 西浦勝一
1983 スタネーラ 牝5 2'27"6 B.ラウス
1982 ハーフアイスト 牡3 2'27"1 D.マクベス
1981 メアジードーツ 牝5 2'25"3 C.アスムッセン

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