マイルチャンピオンシップ
【レース概要】
 日本の競馬は一昔前、軍馬育成のため長距離を重視しており、短距離レースの整備
は遅れていたが、徐々にスピード重視の競馬が求められきた。そこで'84のグレード制導
入に伴い、秋の天皇賞距離短縮、安田記念のGT化とともに、秋のマイラーナンバーワ
ンを決めるGTレースとしてこの競争が産まれ、JRAの短距離路線の確立が図られた。
'98からは外国馬も出走可能となった。レース条件は創設時から全く変わらず京都の外
回りマイルで実施されてきた。

 無論、生粋の短距離馬古馬がこぞって目標とするが、ジャパンカップの2400mでは距
離が長すぎると思われる中距離馬や、マイル得意の3歳馬もここを狙ってきて、層の厚い
メンバー構成が当レースを盛り上げている。

【レースの傾向】
 前週のエリザベス女王杯とタイプが似ているレースで、馬場が広く、最初も最後も直線が長く、癖の少ないコース形態で、全ての面で条件がフラットなことが特徴。そのような場面で実際に強い京都巧者がやはり優勢。

 関西のGTだが、意外にも関東馬が大活躍。勝ち数では関東4:関西6と拮抗しているが、勝率・連対率共に関西を上回っている。なお、外国馬はまだ連に絡んだ事は無い。そんな中でもサンデーサイレンス系はやはり強い。極端なハイ・スローペースにはなりにくいが、終始淀みのない流れになりやすく、まさにスピード勝負。速い持ち時計と、上がり3ハロン33秒台の決め手がある馬は信頼がおける。特に前走で上がりの一番時計を出している馬には要注意。

≪レース観戦のポイント=タイム・決め手
人気馬の信頼度(過去10年)<普通>
  1番人気【4-2-0-4】
  2番人気【0-2-2-6】
  3番人気【1-2-0-7】
  4番人気【2-3-0-5】
  5番人気【1-0-2-7】
 創設から'90年代までは、1番人気馬の連対率が圧倒的で、日本一堅いGTレースと呼ばれていた。現在はそれほどまでの有力馬の人気信頼度はないが、馬連万馬券は他のGTレースより少めで配当も落ちついている。安田記念と比べてみても、過去現在に偏らず、連覇した馬が5頭も出ているのは特徴的で、終わってみるとそれなりに納得のいく結果で収まる。ただ、3着には人気薄が多く飛び込んでくる。
年齢(過去10年)<4・5歳が有利>
  3歳【0-1-3-33】
  4歳【3-6-3-29】
  5歳【4-3-4-42】
  6歳【2-0-0-25】
  7上【1-0-0-18】
 勝馬の年齢は4・5歳が中心で、3歳馬は一歩劣る。一昨年こそ8歳馬のカンパニーが最高齢GT優勝の記録を打ち立てたが、それ以外の7歳以上の実績は無いに等しい。本来のサラブレットとしての能力ピークがそのまま表れている結果と言えよう。
脚質(過去10年)<追い込みが通用>
  逃げ【0-1-1-8】
  先行【3-1-1-32】
  差し【4-6-5-62】
  追込【3-2-3-45】
 広いコースでコーナーも大きく、最後の直線も坂が無いので、実績のある先行馬も粘れるが、勢いを前面に押し立てた直線のみの追込タイプでも充分間に合う。平均的には後方待機が最も安定ある脚質ではあるが、実力があれば、逃げ以外戦法を問うことなく各馬の持ち味が存分に生きてくるコースだ。
枠順(過去10年)<内枠が苦しい>
  1枠【0-0-3-17】
  2枠【1-0-1-18】
  3枠【1-1-0-18】
  4枠【3-3-2-12】
  5枠【2-1-0-17】
  6枠【1-1-1-17】
  7枠【2-1-2-24】
  8枠【0-3-1-24】
 最初のコーナーまで充分に距離があり、最後の直線も長いので、理論上枠順の有利不利は無いはず。しかし1・2枠は馬場の傷み具合による不利からか、結果が出ていない。
臨戦過程(過去10年)<GT連戦組が優勢>
  天皇賞・秋    【4-3-1-22】
  スプリンターズS【3-0-1-7】
  富士S       【1-2-0-43】
  スワンS     【1-1-5-33】
  府中牝馬S    【1-0-0-6】
 秋の天皇賞やスプリンターズSの、距離が異なるGTレースからのステップが有効なように、中距離やスプリント、それぞれに対応できる馬も多く善戦している。直結する前哨戦・スワンSからの馬は、データ上ではやや苦戦しているが、人気薄で上位に食い込んできた馬には注意しておきたい。また春のマイルGT安田記念上位組も、もちろん侮れない。
牝馬(過去10年)<GT級馬は力を発揮>
  【1-3-2-22】
 近年は、毎年のように何かしら上位に絡んできている。ただし昔から上位に来るのはほとんどがGT馬。しっかり実績を積んできていないと、なかなか馬券に絡むのは難しい。

管理人が選ぶマイルCSベスト3


京都・芝・1600m・3歳上
優勝馬
性年
タイム
騎手
備考
2013
2012 サダムパテック  牡4 1'32"9 武豊
2011 エイシンアポロン  牡4 1'33"9 池添謙一
2010 エーシンフォワード 牡5 1'31"8 岩田康誠
2009 カンパニー 牡8 1'33"2 横山典弘
2008 ブルーメンブラット 牝5 1'32"6 吉田豊
2007 ダイワメジャー 牡6 1'32"7 安藤勝己
2006 ダイワメジャー 牡5 1'32"7 安藤勝己
2005 ハットトリック 牡4 1'32"1 O.ペリエ
2004 デュランダル 牡5 1'33"0 池添謙一
2003 デュランダル 牡4 1'33"3 池添謙一
2002 トウカイポイント 騙6 1'32"8 蛯名正義
2001 ゼンノエルシド 牡4 1'33"2 O.ペリエ
2000 アグネスデジタル 牡3 1'32"6 的場均
1999 エアジハード 牡4 1'32"8 蛯名正義
1998 タイキシャトル 牡4 1'33"3 岡部幸雄
1997 タイキシャトル 牡3 1'33"3 横山典弘
1996 ジェニュイン 牡4 1'33"8 岡部幸雄
1995 トロットサンダー 牡6 1'33"7 横山典弘
1994 ノースフライト 牝4 1'33"0 角田晃一
1993 シンコウラブリイ 牝4 1'35"7 岡部幸雄
1992 ダイタクヘリオス 牡5 1'33"3 岸滋彦
1991 ダイタクヘリオス 牡4 1'34"8 岸滋彦
1990 パッシングショット 牝5 1'33"6 楠孝志
1989 オグリキャップ 牡4 1'34"6 南井克巳
1988 サッカーボーイ 牡3 1'35"3 河内洋
1987 ニッポーテイオー 牡4 1'34"9 郷原洋行
1986 タカラスチール 牝4 1'35"3 田島良保
1985 ニホンピロウイナー 牡5 1'35"3 河内洋
1984 ニホンピロウイナー 牡4 1'35"3 河内洋

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