皐月賞
【レース概要】
 イギリス2000ギニーを範としたのがクラシック2戦目のこの皐月賞で、三冠レースの第
一関門として世間に認知されている。横浜での「横浜農林水産賞典4歳呼馬」から始ま
り、東京・京都で行われた後、中山で始めて行われた'49から「皐月賞」の名に。当初は
名前の通り5月始めあたりに行われていたが、'54頃から開催時期が現在の4月中旬に
なった。繁殖馬を選定するのも本来の目的の一つであり、ダービー等と共に騙馬は出走
できない。かつてはしばしば厩務員ストの影響を受け、東京で開催されたことも。

 '02からは外国産馬にも開放された。マイルほどではないが「最も速い馬が勝つ」と言わ
れ、3歳スピード馬の頂点を決めるレースとなっている。ただ最近では、ダービーの前哨
戦として捉える向きが出てきており、クラシックレースとしての存在価値が憂慮される。

【'12までのレースの傾向】
 コーナーを4つ廻り、最後の直線が短いため、小回り適正すなわち脚捌きの器用さが求められる。実力があっても脚を余すケースが多々見られ、レースが荒れることも珍しくない。三冠を達成した馬たちの着差を見ても、他のクラシックと比べてあまり差が着かない傾向にあり、最初にして最大の関門だ。そんな中でも天性による能力の高さは必須で、デビュー戦で圧勝していたような馬や、2勝以上挙げている実績馬が多く勝ち星を挙げている。前走惨敗した馬でも、前々走で上位争いをしたような実力がないと難しい。

 「速い馬が勝つ」と言われるものの、厳しい坂を2回上るため、スピード頼りの馬では通用せず、それなりにスタミナも要求される。皐月賞馬が菊花賞で好走する例が時々あるのはそれが要因の一つだからだ。先行馬にしても差し馬にしても、中距離に対応できうるスピードの持続能力が試される。

≪レース観戦のポイント=スピードの持続力・小回り適正
人気馬の信頼度(過去10年)<低い>
  1番人気【3-2-1-4】
  2番人気【0-2-2-6】
  3番人気【1-0-3-6】
  4番人気【2-0-1-7】
  5番人気【0-0-0-10】
 1番人気馬の勝率・連対率・三着内率はまあまあの数字か。ただし過去5年に絞ると、優勝馬は一頭しか出ていないので要注意。2・3番人気の勝率・連対率も低い。6番人気以下が5勝二着6回で、これが大きく配当を荒らす要因になっている。6〜10番人気あたりで穴馬を狙ってみるのも面白いかも。
脚質(過去11年・'11除く)<逃げ・先行が通用>
  逃げ【2-1-1-7】
  先行【3-2-2-33】
  差し【4-4-5-65】
  追込【1-3-2-45】
 直線の短い小回りコースらしく、脚質は逃げ・先行、あるいは好位につけられる馬が比較的力を発揮しやすい。差し・追込み馬はキレ味よりも、末脚の持続力をいかに発揮できるかが問われ、さらにコーナーでの加速力、または馬群を割る器用さが絶対必要。いずれにしても3コーナーあたりから早めに仕掛けなくてはならず、直線勝負に徹するのは無謀に近い。逆に言えば、ここを追い込んで勝つほどの能力がある馬は、複数のGTを射止める器の持ち主という証明になる。時計もかかり消耗戦となるので、早めの仕掛けから4コーナーまでにロスなくスムーズに前目の位置を取ることがポイントだ。
枠順(過去11年・'11除く)<フラット>
  1枠【1-2-1-16】
  2枠【1-1-0-17】
  3枠【2-1-2-15】
  4枠【0-0-1-19】
  5枠【0-4-1-15】
  6枠【0-0-2-18】
  7枠【4-0-2-24】
  8枠【2-2-1-25】
 中山2000は一般に内枠有利だが、皐月賞はそれには該当しない。開催末ではあるが、季節柄、早い芝の成長と、あまり使われていない内回りのバックストレッチの恩恵でそれほど馬場は悪くならない。よって馬場の内外差は意識する必要がない。また最初のコーナーまでの距離も充分あるので、枠順の差はほとんど無い。数字で見ると7・8枠の値が高いが、毎年のフルゲートにより分母が大きいので、勝率ではフラットだ。
臨戦過程(過去10年)<弥生賞・スプリングS組優勢>
  スプリングS 【5-3-1-49】
  弥生賞    【3-3-5-34】
  若葉S     【1-4-1-16】
  共同通信杯 【1-0-2-7】
  京成杯    【0-0-1-3】
 主なステップは、弥生賞・スプリングS・若葉Sから。勝馬・連対馬は、やはり本番と同じ中山のGUトライアル組からが大半で、近年はスプリングS組がわずかに優位。きさらぎ賞・ラジオNIKKEI杯の連対馬も注意すべきだが、朝日杯FSの上位組は結果を出せていない。また毎日杯組・きさらぎ賞からの直行組も三着すらない。キャリアは3〜5戦ほどで、基本的に少ない方が良い。
牝馬(過去10年)<出走さえ稀>
  【0-0-0-0】
 '91ダンスダンスダンス(5着)以来出走がなく、最近牝馬とは全く無縁のレース。優勝馬は太平洋戦争直後のトキツカゼ・ヒデヒカリの2頭。競争の呼称が「皐月賞」になる以前のお話。

管理人が選ぶ皐月賞ベスト3

  
中山・芝・2000m・3歳・牡牝
優勝馬
性年
タイム
騎手
備考
2013 ロゴタイプ 牡3 1'58"0 M.デムーロ
2012 ゴールドシップ 牡3 2'01"3 内田博幸
2011 オルフェーヴル 牡3 2'00"6 池添謙一 東京・2000m
2010 ヴィクトワールピサ 牡3 2'00"8 岩田康誠
2009 アンライバルド 牡3 1'58"7 岩田康誠
2008 キャプテントゥーレ  牡3 2'01"7 川田将雅
2007 ヴィクトリー 牡3 1'59"9 田中勝春
2006 メイショウサムソン 牡3 1'59"9 石橋守
2005 ディープインパクト 牡3 1'59"2 武豊
2004 ダイワメジャー 牡3 1'58"6 M.デムーロ
2003 ネオユニヴァース 牡3 2'01"2 M.デムーロ
2002 ノーリーズン 牡3 1'58"5 B.ドイル
2001 アグネスタキオン 牡3 2'00"3 河内洋
2000 エアシャカール 牡3 2'01"8 武豊
1999 テイエムオペラオー 牡3 2'00"7 和田竜二
1998 セイウンスカイ 牡3 2'01"3 横山典弘
1997 サニーブライアン 牡3 2'02"0 大西直宏
1996 イシノサンデー 牡3 2'00"7 四位洋文
1995 ジェニュイン 牡3 2'02"5 岡部幸雄
1994 ナリタブライアン 牡3 1'59"0 南井克巳
1993 ナリタタイシン 牡3 2'00"2 武豊
1992 ミホノブルボン 牡3 2'01"4 小島貞博
1991 トウカイテイオー 牡3 2'01"8 安田隆行
1990 ハクタイセイ 牡3 2'02"2 南井克巳
1989 ドクタースパート 牡3 2'05"2 的場均
1988 ヤエノムテキ 牡3 2'01"3 西浦勝一 東京・2000m
1987 サクラスターオー 牡3 2'01"9 東信二
1986 ダイナコスモス 牡3 2'02"1 岡部幸雄
1985 ミホシンザン 牡3 2'02"1 柴田政人
1984 シンボリルドルフ 牡3 2'01"1 岡部幸雄
1983 ミスターシービー 牡3 2'08"3 吉永正人
1982 アズマハンター 牡3 2'02"5 中島啓之
1981 カツトップエース 牡3 2'04"9 大崎昭一
1980 ハワイアンイメージ 牡3 2'10"2 増沢末夫
1979 ビンゴガルー 牡3 2'02"3 小島太
1978 ファンタスト 牡3 2'04"3 柴田政人
1977 ハードバージ 牡3 2'05"1 福永洋一
1976 トウショウボーイ 牡3 2'01"6 池上昌弘 東京・2000m
1975 カブラヤオー 牡3 2'02"5 菅原泰夫
1974 キタノカチドキ 牡3 2'01"7 武邦彦 東京・2000m
1973 ハイセイコー 牡3 2'06"7 増沢末夫
1972 ランドプリンス 牡3 2'03"5 川端義雄
1971 ヒカルイマイ 牡3 2'03"7 田島良保
1970 タニノムーティエ 牡3 2'07"9 安田伊佐夫
1969 ワイルドモア 牡3 2'05"2 森安重勝
1968 マーチス 牡3 2'06"3 保田隆芳
1967 リユウズキ 牡3 2'06"6 郷原洋行
1966 ニホンピローエース 牡3 2'07"6 田所稔
1965 チトセオー 牡3 2'05"1 湯浅三郎
1964 シンザン 牡3 2'04"1 栗田勝 東京・2000m
1963 メイズイ 牡3 2'02"6 森安重勝 東京・2000m
1962 ヤマノオー 牡3 2'04"8 古山良司
1961 シンツバメ 牡3 2'10"1 野平好男
1960 コダマ 牡3 2'05"9 渡辺正人
1959 ウイルデイール 牡3 2'03"6 渡辺正人
1958 タイセイホープ 牡3 2'04"0 渡辺正人
1957 カズヨシ 牡3 2'08"0 山本勲
1956 ヘキラク 牡3 2'05"4 蛯名武五郎 東京・2000m
1955 ケゴン 牡3 2'04"0 野平好男
1954 ダイナナホウシユウ 牡3 2'11"4 上田三千夫
1953 ボストニアン 牡3 2'04"8 蛯名武五郎
1952 クリノハナ 牡3 2'06"4 八木沢勝美
1951 トキノミノル 牡3 2'03"0 岩下密政
1950 クモノハナ 牡3 2'11"2 橋本輝雄
1949 トサミドリ 牡3 2'05"0 浅野武志 中山・1950m
1948 ヒデヒカリ 牝3 2'09"2 蛯名武五郎 東京・2000m
1947 トキツカゼ 牝3 2'11"2 佐藤嘉秋 京都・1600m
1946
1945
1944 クリヤマト 牡3 2'05"0 境勝太郎 東京・1800m
1943 ダイエレク 牡3 1'54"2 中村広 東京・1800m
1942 アルバイト 牡3 1'58"0 小西喜蔵 横浜・1850m
1941 セントライト 牡3 1'59"2 小西喜蔵 横浜・1850m
1940 ウアルドマイン 牡3 2'03"0 野平省三 横浜・1850m
1939 ロツクパーク 牡3 1'58"8 稲葉幸夫 横浜・1850m

※'59までのタイムは1/5秒単位計測により、1/10秒単位に概算して表示。 

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