【'12までのレースの傾向】
平地の最長距離GTであるがゆえ、やはりスタミナと折り合いは絶対必要。騎手の言う
ことをよく聞き、流れを見ながら早めに動いて、追込み馬の追撃を振り切る粘りが要求さ
れる。確かな実績も求められ、芝2400m以上の長距離戦での好走が無いと、勝馬候補
にも挙がらないと言って良い。特にコース形態が近い菊花賞馬は要注意。
馬場は各年平均的に良好。長距離戦なので、ペースによってタイムの振れ幅は大きい
が、年々速い時計が出やすくなっている。京都の3200mは天皇賞だけに使い、年一回し
かお目見えしない特殊なコース。スタートは、菊花賞より3コーナーまでの距離があるの
で、序盤の位置取りは激しくならないが、馬場が良いのであまりスローにはならない。道
中は落ち着くが、二周目の3コーナーあたりで馬群が一気に固まり、そこからはGTなら
ではの上がりの速さが求められる。
武豊や横山典など、騎手の長距離適正も軽視できない。折り合いのつけ方から始ま
り、ペース判断、ペース配分、仕掛け所、直線の追い方まで、距離が長い分だけ騎手の
総合技量が大きく反映する。穴馬が勝った時には、上位騎手への乗り替わりがあったケ
ースが多い。また比較的関東馬が頑張っている。
≪レース観戦のポイント=スタミナ・騎手のかけひき≫
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●人気馬の信頼度(過去10年)<非常に低い>
1番人気【1-0-2-7】
2番人気【2-2-1-5】
3番人気【1-2-0-7】
4番人気【0-3-2-5】
5番人気【0-0-3-7】
かつては人気の名ステーヤーがそのまま上位争いをするような名勝負ばかりだった
が、近年は一変。中距離型の馬が人気を背負い、スタミナ切れで大敗するケースがよく
見られる。そして一旦荒れると収拾のつかないような大荒れ決着になる。1番人気馬はと
にかく実績が重要で、それまでのGT勝利数がそのまま結果に反映される。 |
●年齢(過去10年)<4・5歳が有利>
4歳【5-3-3-44】
5歳【3-3-6-31】
6歳【2-2-1-28】
7歳【0-2-0-21】
8上【0-0-0-19】
優勝馬は4歳が半数。5歳馬は勝ち数は譲るが、連対率・3着内率は見劣りしない。単
純に若い馬の方が有利。 |
●脚質(過去10年)<先行から差し>
逃げ【2-0-1-10】
先行【3-7-3-23】
差し【5-3-6-62】
追込【0-0-0-47】
オーソドックスな戦法は、中団待機から3コーナー下り坂の勢いを借りて先団を視界に
捕らえ、直線で抜け出すというもの。ほとんどの連対馬が4コーナーで7番手以内に上が
ってきていて、直線だけでの一気の追い込みは不可能に近い。スローになった場合は、
楽に逃げている人気薄の先行馬にも勝機はある。ペースが読みづらいため、たまに前残
りが起きるので注意しておきたい。 |
●枠順(過去10年)<フラット>
1枠【3-0-1-15】
2枠【0-1-2-16】
3枠【2-0-0-18】
4枠【1-0-1-18】
5枠【1-1-0-18】
6枠【2-1-4-13】
7枠【0-2-1-24】
8枠【1-5-1-21】
スタートから最初のコーナーまである程度距離があり、全体の距離も長いだけあって挽
回のチャンスも多く、それほど枠順の偏りは見られない。ただし、コーナーが多いだけあっ
て15頭立て以上の多頭数になると、さすがに外枠は苦しくなる。 |
●臨戦過程(過去10年)<古馬中長距離GUから>
産経大阪杯 【3-3-2-18】
阪神大賞典 【3-1-4-46】
日経賞 【1-5-2-34】
大阪ハンブルクC【1-1-1-21】
京都記念 【1-0-1-3】
以前は現役最強クラスの馬が阪神大賞典できっちり仕上げてくると、極めて堅く収まる
というのがお決まりだったが、近年の中距離志向の影響もあってか、優勝馬の前哨戦
は、レースや着順を選ばなくなった。大阪−ハンブルクC組にもチャンスの芽がある。 |
●牝馬(過去10年)<苦戦>
【0-0-0-4】
ここ10年で出走したのは4頭のみ。どれも着外に敗れた。京都の天皇賞を制したのは
'53のレダ只一頭で、牝馬にとってはかなり敷居が高いレース。 |