【'12までのレースの傾向】
短距離でありながらも、厳しい直線を持つ東京競馬場で行われるためか、生粋のマイラーだけでなく中距離型の優勝馬も数多く存在する。意外とこのレースは連覇が難しく、むしろマイルCSとの連覇というケースの方が多い。外国馬・外国産馬が結果を出し易いGT。実績のある香港馬は抑えておきたい。また、関東馬も比較的頑張っている。それから前走2・3着からの巻き返しが目立つ。
スローペースになることは少なく、全体的に淀みの無い流れになる。自然とタイムも速くなるが、それは3コーナーまでの直線が長いこと、序盤は下り坂であることで走りやすいためもあり、テンのペースはそれほど気にする必要はない。しかし長い直線で生きる、最後の決め手のスピードは、絶対に邪魔になることはなく、上がり3ハロンの最速持ちタイムは、速ければ速いほど心強い。
≪レース観戦のポイント=決め手・タイム≫
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●人気馬の信頼度(過去10年)<非常に低い>
1番人気【1-0-1-8】
2番人気【3-1-0-6】
3番人気【1-1-1-7】
4番人気【1-1-0-8】
5番人気【0-2-3-5】
先週のダービーから一転、1番人気馬はここ10年で1着が一回だけと、全く信頼できず、かと言って2・3番人気が多く勝っているわけでもなく、大変予想の難しいレースとなっている。馬連万馬券は10年中5回で、珍しくも何ともない。その一員は最重要ステップレースである京王杯スプリングC組の不振、サンデーサイレンス産駒の不振が挙げられるが、そんな中でも前走3着以内の馬が力を発揮している事実があり、つかみ所が決して無いわけではない。10番人気以下のGT馬が連対することもしばしばで、忘れかけた実力馬の存在も侮れない。 |
●年齢(過去10年)<高齢馬が有利>
3歳【1-0-0-1】
4歳【1-4-2-36】
5歳【1-3-3-53】
6歳【6-0-5-32】
7歳【1-3-0-23】
8上【0-0-0-5】
定量戦になってしばらくは4・5歳馬の勝率が高かったが、'01から6・7歳馬の優勝が7年連続して続いた。最も高齢馬が活躍するGT。ただ最近4年に限れば、3歳馬リアルインパクトの優勝などもあって、世代間のバランスが取れてきたようにも見える。なお、7歳以上の連対馬は、外国馬や外国産馬が目立つ。 |
●脚質(過去10年)<逃げだけやや不利>
逃げ【0-1-0-9】
先行【3-2-3-24】
差し【6-4-4-80】
追込【1-3-3-36】
脚質は東京コースらしく後方から差してくる馬が中心だが、先団や好位付近から早めに仕掛けて粘りきるケースも目立つ。ただし、そのタイプには500キロを超える大型馬が多いことが特徴。 |
●枠順(過去10年)<やや真ん中枠が苦しい>
1枠【1-1-1-17】
2枠【4-1-3-12】
3枠【1-2-0-17】
4枠【1-0-1-17】
5枠【0-2-0-18】
6枠【0-1-1-18】
7枠【2-1-0-27】
8枠【1-2-3-24】
最初のコーナーまで距離が充分にあるため、枠順の有利不利はあまりないはずだ。ただ、内や外の枠に勝ち馬が固まっている。真ん中枠の騎手は、左右両方に気を使わなくてはいけないのが、ややスムーズなレース運びを阻害しているのか。 |
●臨戦過程(過去10年)<主要GU組が苦戦>
京王杯SC 【2-3-1-44】
ヴィクトリアM 【2-0-1-11】
チャンピオンズM 【1-1-2-17】(香港)
産経大阪杯 【1-1-1-1】
ドバイDF 【1-1-0-1】(UAE)
京王杯スプリングCとマイラーズC、安田記念のためにあるような主要なGUからは、新世紀以降非常に苦しい。3着までに誰も来ないケースが増え、年が近くなるにつれて酷くなっている。さらにここで大負けした馬は巻き返しが極めて難しい。その一方で、新設GTヴィクトリアマイル組の牝馬が結果を出し始めている。それから海外GTや高松宮記念など、前走GTを使ったメンバーの方が好感を持てる。 |
●牝馬(過去10年)<GT馬なら>
【2-1-1-22】
他の牡牝混合GTに比べ出走数が多い牝馬だが、並の馬ではかなり苦しい。ちなみに連対したウオッカ・スイープトウショウはどちらもGT馬。実績がないと勝ち負けにならない。 |