エリザベス女王杯
【レース概要】
 菊花賞の牝馬版として'70年にビクトリアカップが創設されたが、'75にエリザベス女王
が来日されたのを記念して、翌'76にこのレースが改めて新設された。始めから外国産馬
の出走が可能だったが、牝馬三冠の最終戦として、また秋の3歳牝馬のスタミナを問う
最高峰レースとして行われてきた。この期間中に牝馬三冠を実現できたのは、メジロラモ
ーヌ只1頭。'96からは3歳と古馬を含めた最強牝馬決定戦として生まれ変わり、距離も
2200mに短縮された。牝馬三冠の3戦目としての役割は、新設された秋華賞に引き継
がれた。'99からは国際競争となり、外国馬にも出走権が与えられた。また'08から始まっ
たジャパン・オータムインターナショナルシリーズの初戦にも指定されている。

 3歳馬限定時代は大波乱が続出する難解なレースだったが、古馬に開放されてから当
レースを制した馬は、レースの意義通り最強牝馬と言うに相応しく、名牝の名がズラリと
並んでいる。

 蛇足だが晴れの特異日で、'80からずっと良馬場での開催が続いている。

【レースの傾向】
 選ばれた3歳馬・古馬が出走してくるため、脚質が固定されている馬達が多い。オーバーシードの馬場で行われるこのレース、1コーナーまでに充分な距離があるため、早々に位置取り争いは落ち着き、しばらくはゆったりとした流れになりやすい。よって3歳限定時代の2400mとは違い、上がりの速さに対応できる実力馬が力を発揮しやすく、順当に決まりやすい。オーソドックスで癖のないコース形態で、枠順や脚質による差が出にくく、目立った特徴がないのが特徴。強いて言えば京都巧者が有利か。

 3歳馬でも古馬でも、このレースを優勝したものは、それぞれ3歳時の牝馬三冠レースで、1・2番人気を背負って結果を出してきた馬たちにほぼ限られている。早くから人気・実力とも兼ね備えた牝馬だけが、女王になる資格を与えられている。それから外人ジョッキーへの乗り替わりは要注意だ。

≪レース観戦のポイント=3歳時での実績・京都適正
人気馬の信頼度(過去10年)<やや低い>
  1番人気【2-2-2-4】
  2番人気【3-4-2-1】
  3番人気【0-1-0-9】
  4番人気【3-0-4-3】
  5番人気【0-2-1-7】
 '06の降着事件を計算に入れても、1番人気馬の勝率はそう高くないが、2番人気の馬が活躍しているため、全体的に上位人気馬の着順はまあまあ安定している。穴馬の入着が珍しく、馬連・3連複など、連勝馬券の配当が低くて堅いのが特徴。
年齢(過去10年)<3歳が有利>
  3歳【6-2-2-44】
  4歳【2-3-5-37】
  5歳【2-4-2-36】
  6歳【0-1-1-9】
  7上【0-0-0-4】
 3〜5歳馬に上位入着馬が集中しているが、特に最近は3歳馬の活躍が目に留まる。また、2年連続しての好走も目立つ。
脚質(過去10年)<フラット>
  逃げ【2-1-0-8】
  先行【3-4-1-32】
  差し【5-3-7-43】
  追込【0-2-2-46】
 数の上では先行・差しの入着馬が多いが、癖のないコース形状から、脚質による有利不利が生じにくいレースと言え、流れによっては大逃げの前残りや直線一気の追い込みなど、いろいろなパターンのレースが見られる。
枠順(過去10年)<フラット>
  1枠【0-1-1-14】
  2枠【0-2-1-15】
  3枠【1-1-2-14】
  4枠【3-2-1-14】
  5枠【1-1-0-18】
  6枠【1-1-1-16】
  7枠【1-2-1-20】
  8枠【3-0-3-19】
 一般にこのコースは内枠有利だが、実績上フルゲートになっても枠の有利不利はほとんど見られない。むしろ外よりの方が内を見ながら競馬がしやすそうだ。
臨戦過程(過去10年)<3歳は秋華賞組・古馬は牡馬混合レース組>
  秋華賞     【5-2-2-36】
  天皇賞・秋  【2-1-1-0】
  京都大賞典  【1-2-0-0】
  ドバイWC   【1-0-0-0】(UAE)
  セントレジャー 【1-0-0-0】(イギリス)
  府中牝馬S  【0-4-5-54】
 古馬は、府中牝馬Sからの出走が多いが、男馬達に混じって走っていたような馬の活躍が多く、秋の天皇賞や札幌記念などの名高いレースからのステップが確立している。3歳馬は、ほとんどが秋華賞からのステップで、いずれも前走で3着以内に入線した馬が強い。つまる所、牝馬路線の王道を歩んできた馬達が活躍している。

管理人が選ぶエリザベス女王杯ベスト3


京都・芝・2200m・3歳上・牝
優勝馬
性年
タイム
騎手
備考
2013
2012 レインボーダリア  牝5 2'16"3 柴田善臣
2011 スノーフェアリー 牝4 2'11"6 R.ムーア
2010 スノーフェアリー 牝3 2'12"5 R.ムーア
2009 クィーンスプマンテ 牝5 2'13"6 田中博康
2008 リトルアマポーラ 牝3 2'12"1 C.ルメール
2007 ダイワスカーレット 牝3 2'11"9 安藤勝己
2006 フサイチパンドラ 牝3 2'11"6 福永祐一
2005 スイープトウショウ 牝4 2'12"5 池添謙一
2004 アドマイヤグルーヴ 牝4 2'13"6 武豊
2003 アドマイヤグルーヴ 牝3 2'11"8 武豊
2002 ファインモーション 牝3 2'13"2 武豊
2001 トゥザヴィクトリー 牝5 2'11"2 武豊
2000 ファレノプシス 牝5 2'12"8 松永幹夫
1999 メジロドーベル 牝5 2'13"5 吉田豊
1998 メジロドーベル 牝4 2'12"8 吉田豊
1997 エリモシック 牝4 2'12"5 的場均
1996 ダンスパートナー 牝4 2'14"3 四位洋文


京都・芝・2400m・3歳・牝
優勝馬
性年
タイム
騎手
備考
1995 サクラキャンドル 牝3 2'27"2 小島太
1994 ヒシアマゾン 牝3 2'24"3 中舘英二
1993 ホクトベガ 牝3 2'24"9 加藤和宏
1992 タケノベルベット 牝3 2'27"1 藤田伸二
1991 リンデンリリー 牝3 2'29"6 岡潤一郎
1990 キョウエイタップ 牝3 2'25"5 横山典弘
1989 サンドピアリス 牝3 2'28"8 岸滋彦
1988 ミヤマポピー 牝3 2'27"2 松田幸春
1987 タレンティドガール 牝3 2'29"3 蛯沢誠治
1986 メジロラモーヌ 牝3 2'29"1 河内洋
1985 リワードウイング 牝3 2'26"8 内田国夫
1984 キョウワサンダー 牝3 2'28"4 樋口弘
1983 ロンググレイス 牝3 2'30"1 河内洋
1982 ビクトリアクラウン 牝3 2'29"2 嶋田功
1981 アグネステスコ 牝3 2'28"1 西浦勝一
1980 ハギノトップレディ 牝3 2'27"9 伊藤清章
1979 ミスカブラヤ 牝3 2'32"6 岡部幸雄 阪神・2400m
1978 リードスワロー 牝3 2'29"1 武邦彦
1977 インターグロリア 牝3 2'28"7 福永洋一
1976 ディアマンテ 牝3 2'28"5 松田幸春

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