阪神ジュベナイルフィリーズ
【レース概要】
 '01年の馬齢表記変更に伴い、レース名が改称。ジュベナイルとは明け2歳、フィリーズ
とは若い牝馬のことを言う。また、この言葉には社交界にデビューする少女という意味も
ある。安田記念と同じく農林水産賞典。

 設立当初から短距離で行われてきたこのレース、長い間牡牝を問わず関西地区の2歳
チャンピオンを決めるレース・阪神3歳ステークス(当時の馬齢表記による)として定着し
ていた('56のみ京都3歳Sの名称で実施)が、'91の番組改革で若駒牝馬のチャンピオン
決定戦・阪神3歳牝馬ステークスに変わり、出走馬条件が現在と同じものになった。'06
からは、コース改修により、外回り・ストレートコースでのスタートに変更された。

 桜花賞と同コース・同距離なのでこれに直結しそうなイメージだが、新コースになってか
らは、東京2400mの長距離クラシックホースを輩出する割合がとても高く、まさに名牝へ
の登竜門となっている。

【レースの傾向】
 馬場変更初年度こそスローになり、人気の先行馬で決着したが、それ以降はそれなりのペースでレースが進み、外からの差し脚が生きた流れになった。それから、以前は阪神開幕週での開催だったが、一昨年からJCダートが阪神競馬場に移行されたことで一週繰り下がった。馬場の状態変化も気を付けておきたい。

 速いタイムが出やすいが、桜花賞同様、最後の直線が長く坂がある厳しいコースのため、スピード一辺倒だけで乗り切るのは難しいようだ。まだ幼さが残る2歳牝馬には酷だが、淀みの無い厳しい流れを乗り切る底力が必要。マイル戦だが、新コースになってから5年続けて、覇者の父親は皆ダービー馬で、スタミナがあることを期待できる血統が魅力だ。それにしてもなぜか東京2400mに深い関連性があるレースだ。

≪レース観戦のポイント=血統・決め手
人気馬の信頼度(過去10年)<最近はやや高い>
  1番人気【3-1-2-4】
  2番人気【1-0-3-6】
  3番人気【1-2-0-7】
  4番人気【2-1-1-6】
  5番人気【0-1-0-9】
 配当は過去10年で馬連万馬券が3回と、一見荒れ気味のレースに見えるが、それは全て旧内回り時代でのこと。新コースになってから馬連万馬券はまだ出ておらず、勝ち馬は4番人気までで収まっている。3着以内もほぼ4番人気以内の馬で占められ、徐々に堅実な傾向に向かってきている。
脚質<差し・追込有利>
 (過去10年)
  逃げ【0-1-1-9】
  先行【0-3-4-33】
  差し【9-5-4-57】
  追込【1-1-1-51】
 (過去6年・外回り変更後)
  逃げ【0-0-1-5】
  先行【0-3-1-22】
  差し【5-2-3-38】
  追込【1-1-1-24】
 旧コースでは、小回り適正に物を言わせて先行力を生かすタイプの勝ち馬も出ていたが、現在のコースで押し切るのはなかなか難しい。もちろん展開にもよるが、前半の厳しい流れの中、中団から後方で控え、最後の長い直線で貯めた末脚を一気に放つのがオーソドックスな戦法。
枠順<やや外枠有利>
 (過去10年)
  1枠【1-1-0-18】
  2枠【0-1-2-17】
  3枠【2-3-0-15】
  4枠【0-0-0-20】
  5枠【0-2-3-15】
  6枠【2-1-0-17】
  7枠【3-1-2-24】
  8枠【2-1-3-24】
 (過去6年・外回り変更後)
  1枠【1-1-0-10】
  2枠【0-1-1-10】
  3枠【0-1-0-11】
  4枠【0-0-0-12】
  5枠【0-2-2-8】
  6枠【1-1-0-10】
  7枠【3-0-1-14】
  8枠【1-0-2-15】
 旧コース時代は意外にも枠順の優劣は見られなかったが、新コースになってからは内枠の勝利は一回だけで、他は6枠より外に集まっていており、外枠有利の傾向が徐々に出てきた。
臨戦過程(過去10年)<牡馬混合戦組が要注意>
  デイリー杯2歳S 【2-0-0-1】
  黄菊賞      【2-0-0-3】
  ファンタジーS  【1-3-4-44】
  赤松賞      【1-1-0-11】
  かえで賞     【1-0-0-0】
 前走は重賞を戦ってきた、出走回数3戦前後の適度にキャリアのある馬達が魅力的だが、デビュー戦を圧勝し、ここを2戦目として出走する馬も侮れず、あまり重賞実績は関係してない。しかし、やはり前走で大敗していた馬には厳しく、好走を続けてきた方に結果が出ている。5戦以上使うことなく、出走間隔は出来るだけ開いていて、余裕を持ってこのレースに臨む陣営には有利だ。また距離短縮組も狙い目だ。
 番組的には直結するはずのファンタジーS組の成績はあまり良いとは言えず、レースが分散していてデータ的にわかりづらいが、各牡馬混合レースから出走した馬達の方が結果を出している。

管理人が選ぶ阪神ジュベナイルFベスト3

 
阪神・芝・1600m・2歳・牝
優勝馬
性年
タイム
騎手
備考
2013
2012 ローブティサージュ 牝2 1'34"2 秋山真一郎
2011 ジョワドヴィーヴル 牝2 1'34"9 福永祐一
2010 レーヴディソール  牝2 1'35"7 福永祐一
2009 アパパネ 牝2 1'34"9 蛯名正義
2008 ブエナビスタ  牝2 1'35"2 安藤勝己
2007 トールポピー  牝2 1'33"8 池添謙一
2006 ウオッカ 牝2 1'33"1 四位洋文
2005 テイエムプリキュア 牝2 1'37"3 熊沢重文
2004 ショウナンパントル 牝2 1'35"2 吉田豊
2003 ヤマニンシュクル 牝2 1'35"9 四位洋文
2002 ピースオブワールド 牝2 1'34"7 福永祐一
2001 タムロチェリー 牝2 1'35"1 O.ペリエ
2000 テイエムオーシャン 牝2 1'34"6 本田優
1999 ヤマカツスズラン 牝2 1'35"6 M.キネーン
1998 スティンガー 牝2 1'37"0 横山典弘
1997 アインブライド 牝2 1'35"8 古川吉洋
1996 メジロドーベル 牝2 1'34"6 吉田豊
1995 ビワハイジ 牝2 1'35"3 角田晃一
1994 ヤマニンパラダイス 牝2 1'34"7 武豊
1993 ヒシアマゾン 牝2 1'35"9 中舘英二
1992 スエヒロジョウオー 牝2 1'37"9 田面木博公
1991 ニシノフラワー 牝2 1'36"2 佐藤正雄

 
阪神・芝・1600m・2歳
優勝馬
性年
タイム
騎手
備考
1990 イブキマイカグラ 牡2 1'34"4 南井克巳 京都・1600m
1989 コガネタイフウ 牡2 1'35"7 田原成貴
1988 ラッキーゲラン 牡2 1'35"6 村本善之
1987 サッカーボーイ 牡2 1'34"5 内山正博
1986 ゴールドシチー 牡2 1'37"1 本田優
1985 カツラギハイデン 牡2 1'36"0 西浦勝一
1984 ダイゴトツゲキ 牡2 1'36"3 稲葉的海
1983 ロングハヤブサ 牡2 1'35"4 河内洋
1982 ダイゼンキング 牡2 1'35"8 田原成貴
1981 リードエーティ 牡2 1'36"4 田島信行
1980 サニーシプレー 牡2 1'36"3 内田国夫 京都・1600m
1979 ラフオンテース 牝2 1'35"4 岩元市三
1978 タマモアサヒ 牡2 1'36"1 田島良保
1977 バンブトンコート 牡2 1'35"1 伊藤清章
1976 リュウキコウ 牡2 1'37"1 久保敏文
1975 テンポイント 牡2 1'37"1 鹿戸明
1974 ライジン 牡2 1'36"1 須貝四郎
1973 キタノカチドキ 牡2 1'36"2 武邦彦
1972 キシュウローレル 牝2 1'35"8 梅内忍
1971 ヒデハヤテ 牡2 1'35"1 福永洋一
1970 ロングワン 牡2 1'39"0 田口光雄
1969 タニノムーティエ 牡2 1'37"4 安田伊佐夫
1968 リキエイカン 牡2 1'39"4 高橋成忠
1967 マーチス 牡2 1'37"6 保田隆芳
1966 タイギヨウ 牡2 1'37"0 田島日出雄
1965 ニホンピローエース 牡2 1'38"2 田所稔
1964 エイトクラウン 牝2 1'37"6 佐々木昭次
1963 プリマドンナ 牝2 1'39"0 松本善登
1962 コウタロー 牡2 1'41"5 松本善登
1961 チトセハーバー 牡2 1'27"4 伊藤修司 阪神・1400m
1960 リユウライト 牡2 1'24"2 宮本悳 阪神・1400m
1959 コダマ 牡2 1'12"0 栗田勝 阪神・1200m
1958 インターナシヨナル 牡2 1'13"2 池之上豊 阪神・1200m
1957 メイジミドリ 牡2 1'13"2 清水久雄 阪神・1200m
1956 ミスオンワード 牡2 1'12"6 栗田勝 京都・1200m
1955 トサモアー 牡2 1'12"0 大柳英雄 阪神・1200m
1954 ライデンオー 牡2 1'12"0 上田三千夫 阪神・1200m
1953 ヤシマアポロ 牡2 1'13"8 土門健司 阪神・1200m
1952 ワカクサ2 牝2 1'13"2 境勝太郎 阪神・1200m
1951 テツノハナ 牡2 1'13"4 吉永猛 阪神・1200m
1950 ミネハル 牡2 1'14"0 長浜彦三郎 阪神・1200m
1949 ウイザート 牡2 1'16"2 浅見国一 阪神・1200m

※'58までのタイムは1/5秒単位計測により、1/10秒単位に概算して表示。 

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