朝日杯フューチュリティステークス
【レース概要】
 '01年の馬齢表記変更に伴い、レース名が朝日杯3歳S(当時の馬齢表記による)から
改称。フューチュリティとは未来・前途と言う意味で、競馬界の未来を担う2歳馬のチャン
ピオン決定戦がこのレースである。長い間、関東地区の2歳チャンピオンを決めるレース
として認知され、'91以降、関西の阪神3歳S(当時の馬齢表記による)が牝馬限定の阪
神3歳牝馬Sとなってから牡騙馬のみのレースになったが、'04からは牡牝馬限定に変わ
り、強豪牝馬も挑戦することが可能になった。

 阪神JFと同様、開設当初から短距離戦で行われてきたが、短距離にとどまらず、翌年
以降各路線で大きく活躍していった馬も数多い。ただ、GVで2000mのラジオNIKKEI賞
に強豪馬が流れることもあり、クラシック競争に直結しているとは、優勝馬の名前を見る
限りでは言えないようだ。

【レースの傾向】
 将来・クラシックの可能性より、現段階でのスピードの完成度が求められるレース。だがそうは言っても、少なくとも1400m以上のレースで結果を出していることが求められる。出来れば厳しい流れを経験しているといい。前走でも3番人気以内の評価を受けていないと勝ち目には遠い。従って人気上位馬が順当に結果を出すレースだ。

 もう一つの特徴は枠順の差。戦前からコース形態にあれこれ言われるGTレースがいくつかあり、しかしどれも意外と理論通りにはなっていない中、このレースは内有利・外不利の傾向がはっきり出ている。外枠馬は序盤に位置取りを躊躇してしまうと絶望的な流れになってしまうので、積極的に内に潜り込み、タイトなコース取りをしていかないと、上位争いさえ難しくなる。
≪レース観戦のポイント=枠順・コース取り
人気馬の信頼度(過去10年)<勝率の2番人気・複勝率の1番人気>
  1番人気【2-2-4-2】
  2番人気【4-1-1-4】
  3番人気【1-1-0-8】
  4番人気【1-2-1-6】
  5番人気【1-2-2-5】
 比較的人気馬が好走するレースとして有名で、1番人気馬は2着・3着が多いものの複勝率は過去10年で80%とかなりの安定感。他、4番人気までの馬もだいたい好走して、2番人気が多く勝ち星を挙げている。11番人気以下からの入着は一頭もない。驚くべきことに、馬連万馬券が一度も出たことが無いレースで、配当的には穏やかだ。
脚質(過去10年)<逃げ・先行有利>
  逃げ【1-2-1-8】
  先行【5-2-4-21】
  差し【3-6-2-52】
  追込【1-0-3-44】
 テンが速く淀みない流れで進み、終いの時計がかかってしまうのがこのレースの一般的な流れ。最後に厳しい坂が待ち構えているが、直線も短く、なし崩し的に脚を使わされる展開では、極端な追い込みでは苦しく、どちらかというと逃げる方に光明がある。先行馬が断然有利。先行・中団にいる馬は、4コーナー付近で先頭の馬を捕らえるように少し早めに仕掛けるのが上策で、大外から直線一気で差し切るには相当な能力差がないと不可能だ。
枠順(過去10年)<内枠有利>
  1枠【2-1-4-12】
  2枠【3-2-1-13】
  3枠【1-2-1-16】
  4枠【2-1-2-15】
  5枠【0-1-0-18】
  6枠【2-2-1-15】
  7枠【0-0-0-20】
  8枠【0-1-1-17】
 おむすび型のコース体型で、外枠馬は早めに内に入らないと終始馬群の外を回らされることになり、大幅に距離をロスする。よって数字にも表れているように、内枠が圧倒的有利。7・8枠の勝馬はというと、'86のメリーナイスまで遡る。しかもこの馬は後のダービー馬であり、この年は9頭立てだったことを鑑みると、いかに外枠が不利であるかがわかるだろう。現在のGTの中でも、最も枠による有利不利が大きいレースであろう。
臨戦過程(過去10年)<重賞経験組が中心>
  東スポ杯2歳S 【4-1-2-15】
  京王杯2歳S  【3-4-2-24】
  京都2歳S    【1-0-0-1】
  きんもくせい特別【1-0-0-1】
  新潟2歳S    【1-0-0-2】
 重賞を戦ってきた戦績を積んだ馬達がやはり中心で、まれに2戦目で勝ちあがったような経験の浅い馬もたまに上位争いをしてくる。前走1800m以上の馬も怖い。2〜4戦のキャリアが丁度良いようだ。1戦1勝で出てきて一気にこのレースを制した馬はいない。
牝馬(過去6年)<実績なし>
  【0-0-0-1】
 牝馬が出走できるようになったのは6年前からで、実際に出走したのはフォーチュンワード(6着)一頭のみ。まだデータとしては確立されていない。

管理人が選ぶ朝日杯フューチュリティSベスト3

 
中山・芝・1600m・2歳・牡牝
優勝馬
性年
タイム
騎手
備考
2013
2012 ロゴタイプ  牡2 1'33"4 M.デムーロ
2011 アルフレード  牡2 1'33"4 C.ウィリアムズ
2010 グランプリボス  牡2 1'33"9 M.デムーロ
2009 ローズキングダム  牡2 1'34"0 小牧太
2008 セイウンワンダー 牡2 1'35"1 岩田康誠
2007 ゴスホークケン 牡2 1'33"5 勝浦正樹
2006 ドリームジャーニー 牡2 1'34"4 蛯名正義
2005 フサイチリシャール 牡2 1'33"7 福永祐一
2004 マイネルレコルト 牡2 1'33"4 後藤浩輝
2003 コスモサンビーム 牡2 1'33"7 D.バルジュー 牡騙
2002 エイシンチャンプ 牡2 1'33"5 福永祐一 牡騙
2001 アドマイヤドン 牡2 1'33"8 藤田伸二 牡騙
2000 メジロベイリー 牡2 1'34"5 横山典弘 牡騙
1999 エイシンプレストン 牡2 1'34"7 福永祐一 牡騙
1998 アドマイヤコジーン 牡2 1'35"3 M.ロバーツ 牡騙
1997 グラスワンダー 牡2 1'33"6 的場均 牡騙
1996 マイネルマックス 牡2 1'36"3 佐藤哲三 牡騙
1995 バブルガムフェロー 牡2 1'34"2 岡部幸雄 牡騙
1994 フジキセキ 牡2 1'34"7 角田晃一 牡騙
1993 ナリタブライアン 牡2 1'34"4 南井克巳 牡騙
1992 エルウェーウィン 牡2 1'35"5 南井克巳 牡騙
1991 ミホノブルボン 牡2 1'34"5 小島貞博 牡騙
1990 リンドシェーバー 牡2 1'34"0 的場均
1989 アイネスフウジン 牡2 1'34"4 中野栄治
1988 サクラホクトオー 牡2 1'35"5 小島太
1987 サクラチヨノオー 牡2 1'35"6 小島太
1986 メリーナイス 牡2 1'35"6 根本康広
1985 ダイシンフブキ 牡2 1'35"4 菅原泰夫
1984 スクラムダイナ 牡2 1'35"0 柴田政人
1983 ハーディービジョン 牡2 1'36"3 的場均
1982 ニシノスキー 牡2 1'35"8 安田富男
1981 ホクトフラッグ 牡2 1'35"3 柴田政人
1980 テンモン 牝2 1'35"5 嶋田功
1979 リンドタイヨー 牡2 1'36"7 横山富雄
1978 ビンゴガルー 牡2 1'36"0 嶋田功
1977 ギャラントダンサー 牡2 1'35"7 吉永正人
1976 マルゼンスキー 牡2 1'34"4 中野渡清一
1975 ボールドシンボリ 牡2 1'38"6 柴田政人
1974 マツフジエース 牝2 1'37"1 増田久
1973 ミホランザン 牡2 1'35"5 柴田政人
1972 レッドイーグル 牡2 1'38"3 岡部幸雄
1971 トクザクラ 牝2 1'36"2 田村正光
1970 オンワードガイ 牡2 1'39"8 蓑田早人
1969 アローエクスプレス 牡2 1'36"2 加賀武見
1968 ミノル 牡2 1'40"8 保田隆芳
1967 タケシバオー 牡2 1'38"4 中野渡清一
1966 モンタサン 牡2 1'37"4 油木宣夫
1965 メジロボサツ 牝2 1'39"5 矢野一博
1964 リユウゲキ 牡2 1'38"8 油木宣夫
1963 ウメノチカラ 牡2 1'38"9 古賀一隆
1962 グレートヨルカ 牡2 1'38"7 保田隆芳
1961 カネツセーキ 牡2 1'10"9 伊藤竹男 中山・1200m
1960 ハクシヨウ2 牡2 1'11"2 保田隆芳 中山・1200m
1959 マツカゼオー 牡2 1'12"3 蛯名武五郎 中山・1200m
1958 ウネビヒカリ 牡2 1'07"0 野平祐二 中山・1100m
1957 カツラシユウホウ 牡2 1'09"0 蛯名武五郎 中山・1100m
1956 キタノヒカリ 牝2 1'06"4 勝尾竹男 中山・1100m
1955 キタノオー 牡2 1'05"8 勝尾竹男 中山・1100m
1954 メイヂヒカリ 牡2 1'07"6 蛯名武五郎 中山・1100m
1953 タカオー 牡2 1'07"8 高橋英夫 中山・1100m
1952 サンゲツ 牝2 1'07"0 古山良司 中山・1100m
1951 タカハタ 牝2 1'06"2 八木沢勝美 中山・1100m
1950 トキノミノル 牡2 1'06"6 岩下密政 中山・1100m
1949 アヅマホマレ 牡2 1'07"6 八木沢勝美 中山・1100m

※'58までのタイムは1/5秒単位計測により、1/10秒単位に概算して表示。 

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