宝塚記念
【レース概要】
 関東地区の華々しいクラシックに対抗し、関西にも大レースを、ということで、有馬記念
にならって創設された。こちらもファン投票で出走馬を選出するため、「春のグランプリ」と
も「緑のグランプリ」とも言われ、上半期のGT戦線を締めくくる。'99から、一般公募によ
るこのレース限定のファンファーレを使用。3歳馬と古馬の春の中距離戦線の最高峰レー
スに位置されるが、ローテーション的に3歳馬の出走は困難が伴う。しかし近年はその年
のダービー馬が出走して話題になることも。'95から地方馬・'97から外国馬の出走が可
能となった。

 夏場の難しい時期という事もあり、以前は有力馬の回避も目立っていたが、中距離が
重視されつつある現代競馬では、マイラーもステイヤーも参加し、時に春の天皇賞より豪
華なメンバーが集まる事も多くなってきた。

【レースの傾向】
 スタート直後は長い直線と下り坂のため序盤のペースが早くなりがちで、1コーナーに入るときから縦長になる展開が目立つ。しかしコース自体は芝の生育時期に当たること、オーバーシードがかけられることなどにより、流れが早い割には意外と全体・上がりの時計がかかる馬場で、一瞬の切れ味よりはバテない粘り強さがある方に好感が持てる。また梅雨の時期なので、道悪競馬になりやすいことも頭に置いておかなくてはいけない。逃げ・先行策を取るか、早めのまくりを仕掛けるかが、勝つのには絶対必要条件。実際にこのレースを制した、普段追込みに頼るタイプの馬も皆早めに前を捕らえる競馬をしていた。

 血統的には、サンデーサイレンスを含むヘイルトゥリーズン系やノーザンダンサー系以外の傍系に注目。また関東馬が特に苦戦しているレースでもある。

≪レース観戦のポイント=仕掛け所・末脚の持続力
人気馬の信頼度(過去10年)<普通>
  1番人気【3-3-1-3】
  2番人気【1-1-1-7】
  3番人気【1-2-4-3】
  4番人気【0-1-2-7】
  5番人気【1-0-0-9】
 時に大荒れが起きるが、どちらかと言えば1番人気が好走するレース。人気馬の信頼度はまずまずで、近10年は馬連2000円台未満のレースが大半を占める。特に前走好走している馬は心強く、その着順が良いほど、勝利数・連対数が多い。人気薄の上位入着馬も、前走の着順は良かった。
年齢(過去10年)<4歳中心>
  3歳【0-0-1-4】
  4歳【6-4-3-32】
  5歳【1-4-2-36】
  6歳【2-1-3-24】
  7上【1-1-1-25】
 なぜか連覇はおろか、当レースを2回以上優勝できた馬は1頭も無く、優勝馬は4歳に集中している。宝塚記念初出走馬が好走し、数年連続で出走した馬の成績が伸びないという点にも通じる。8歳以上はここ10年で3着以内が無く、はっきり高齢馬が苦しいのがデータに表れているレース。
脚質(過去10年)<追込は困難>
  逃げ【2-0-2-7】
  先行【2-5-4-28】
  差し【5-1-4-42】
  追込【1-4-0-44】
 馬群がバラけやすく、見た目速そうに見えるレースが多いが、終いの時計がかかり、先行策でも押し切れる例がよく見られる。末脚勝負の馬は早めに仕掛けないと間に合わず、末脚の持続力が問われる。馬場の内外の差も少なく、大外一気の上がりの競馬に頼るスタイルでは、2着は獲れるものの勝つのは難しい。近年唯一追い込みで勝てたのは、京都開催でのディープインパクトだけ。
枠順(過去11年・'06除く)<フラット>
  1枠【1-1-3-9】
  2枠【0-1-1-14】
  3枠【3-1-1-13】
  4枠【0-3-1-14】
  5枠【1-2-2-15】
  6枠【3-0-0-16】
  7枠【0-1-1-19】
  8枠【2-1-2-19】
 最初の直線が長く馬群が崩れ易いため、枠順による有利不利はあまり無い。また、フルゲートになることも珍しい。
臨戦過程(過去10年)<天皇賞・金鯱賞・安田記念組の三つ巴>
  天皇賞(春)  【3-5-2-28】
  金鯱賞     【3-3-3-24】
  安田記念   【2-0-2-12】
  QエリザベスC【1-0-0-1】(香港)
 春の天皇賞・金鯱賞組の成績が良く、次いで安田記念組が信頼できる。ほとんどの連対馬は、この3レースからで占められている。今年から金鯱賞の役割は鳴尾記念が引き継いだので、このレースの上位馬には注目だ。天皇賞1着馬は連対率が高く、連勝例も多い。目黒記念からの出走馬は非常に厳しい結果になっている。基本的にどのレースでも前走連対していると有利だが、安田記念から連勝した馬は一頭も出ていない。
牝馬(過去10年)<優勝は困難>
  【1-2-0-6】
 近年牝馬の出走自体が少ない方なので分析が難しいが、'05にスイープトウショウが優勝したのが、牝馬では2頭目で39年振りと、勝つのは大変難しい。ただ、GT馬が2着・3着に時々入ってくるので、馬券的にはヒモとして買うのが有効かも。

管理人が選ぶ宝塚記念ベスト3


阪神・芝・2200m・3歳上
優勝馬
性年
タイム
騎手
備考
2013
2012 オルフェーヴル 牡4 2'10"9 池添謙一
2011 アーネストリー 牡6 2'10"1 佐藤哲三
2010 ナカヤマフェスタ  牡4 2'13"0 柴田善臣
2009 ドリームジャーニー 牡5 2'11"3 池添謙一
2008 エイシンデピュティ  牡6 2'15"3 内田博幸
2007 アドマイヤムーン 牡4 2'12"4 岩田康誠
2006 ディープインパクト 牡4 2'13"0 武豊 京都・2200m
2005 スイープトウショウ 牝4 2'11"5 池添謙一
2004 タップダンスシチー 牡7 2'11"1 佐藤哲三
2003 ヒシミラクル 牡4 2'12"0 角田晃一
2002 ダンツフレーム 牡4 2'12"9 藤田伸二
2001 メイショウドトウ 牡5 2'11"7 安田康彦
2000 テイエムオペラオー 牡4 2'13"8 和田竜二
1999 グラスワンダー 牡4 2'12"1 的場均
1998 サイレンススズカ 牡4 2'11"9 南井克巳
1997 マーベラスサンデー 牡5 2'11"9 武豊
1996 マヤノトップガン 牡4 2'12"0 田原成貴
1995 ダンツシアトル 牡5 2'10"2 村本善之 京都・2200m
1994 ビワハヤヒデ 牡4 2'11"2 岡部幸雄
1993 メジロマックイーン 牡6 2'17"7 武豊
1992 メジロパーマー 牡5 2'18"6 山田泰誠
1991 メジロライアン 牡4 2'13"6 横山典弘 京都・2200m
1990 オサイチジョージ 牡4 2'14"0 丸山勝秀
1989 イナリワン 牡5 2'14"0 武豊
1988 タマモクロス 牡4 2'13"2 南井克巳
1987 スズパレード 牡6 2'12"3 蛯沢誠治
1986 パーシャンボーイ 牡4 2'14"4 柴田政人
1985 スズカコバン 牡5 2'15"9 村本善之
1984 カツラギエース 牡4 2'12"4 西浦勝一
1983 ハギノカムイオー 牡4 2'12"1 伊藤清章
1982 モンテプリンス 牡5 2'12"6 吉永正人
1981 カツアール 牡5 2'14"1 樋口弘
1980 テルテンリュウ 牡4 2'31"9 西浦勝一 中京・2400m
1979 サクラショウリ 牡4 2'12"4 小島太
1978 エリモジョージ 牡6 2'14"2 福永洋一
1977 トウショウボーイ 牡4 2'13"0 武邦彦
1976 フジノパーシア 牡5 2'17"5 大崎昭一 京都・2200m
1975 ナオキ 牡6 2'16"7 佐々木昭次
1974 ハイセイコー 牡4 2'12"9 増沢末夫 京都・2200m
1973 ハマノパレード 牡4 2'12"7 田島良保
1972 ショウフウミドリ 牡6 2'19"9 松本善登
1971 メジロムサシ 牡4 2'17"3 横山富雄
1970 スピードシンボリ 牡7 2'13"3 野平祐二
1969 ダテホーライ 牡4 2'16"1 宇田明彦 京都・2200m
1968 ヒカルタカイ 牡4 2'14"7 野平祐二
1967 タイヨウ 牡4 2'19"4 内藤繁春
1966 エイトクラウン 牝4 2'15"0 内藤繁春 京都・2200m
1965 シンザン 牡4 2'06"3 栗田勝 阪神・2000m
1964 ヒカルポーラ 牡5 2'03"3 高橋成忠 阪神・2000m
1963 リユウフオーレル 牡4 2'02"1 宮本悳 阪神・2000m
1962 コダマ 牡5 2'03"4 栗田勝 阪神・2000m
1961 シーザー 牡4 2'04"6 伊藤修司 阪神・2000m
1960 ホマレーヒロ 牡4 1'49"6 近藤武夫 阪神・1800m

[フェブラリーS] [高松宮記念] [桜花賞] [皐月賞] [天皇賞・春] [NHKマイルC] [ヴィクトリアマイル]
[オークス] [日本ダービー] [安田記念] [宝塚記念] [スプリンターズS] [秋華賞] [菊花賞] [天皇賞・秋]
[エリザベス女王杯] [マイルCS] [ジャパンカップ] [ジャパンCダート] [阪神JF] [朝日杯FS] [有馬記念]

コーナー
トップへ
トップへ