【レースの傾向】
スタート直後は長い直線と下り坂のため序盤のペースが早くなりがちで、1コーナーに入るときから縦長になる展開が目立つ。しかしコース自体は芝の生育時期に当たること、オーバーシードがかけられることなどにより、流れが早い割には意外と全体・上がりの時計がかかる馬場で、一瞬の切れ味よりはバテない粘り強さがある方に好感が持てる。また梅雨の時期なので、道悪競馬になりやすいことも頭に置いておかなくてはいけない。逃げ・先行策を取るか、早めのまくりを仕掛けるかが、勝つのには絶対必要条件。実際にこのレースを制した、普段追込みに頼るタイプの馬も皆早めに前を捕らえる競馬をしていた。
血統的には、サンデーサイレンスを含むヘイルトゥリーズン系やノーザンダンサー系以外の傍系に注目。また関東馬が特に苦戦しているレースでもある。
≪レース観戦のポイント=仕掛け所・末脚の持続力≫
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●人気馬の信頼度(過去10年)<普通>
1番人気【3-3-1-3】
2番人気【1-1-1-7】
3番人気【1-2-4-3】
4番人気【0-1-2-7】
5番人気【1-0-0-9】
時に大荒れが起きるが、どちらかと言えば1番人気が好走するレース。人気馬の信頼度はまずまずで、近10年は馬連2000円台未満のレースが大半を占める。特に前走好走している馬は心強く、その着順が良いほど、勝利数・連対数が多い。人気薄の上位入着馬も、前走の着順は良かった。 |
●年齢(過去10年)<4歳中心>
3歳【0-0-1-4】
4歳【6-4-3-32】
5歳【1-4-2-36】
6歳【2-1-3-24】
7上【1-1-1-25】
なぜか連覇はおろか、当レースを2回以上優勝できた馬は1頭も無く、優勝馬は4歳に集中している。宝塚記念初出走馬が好走し、数年連続で出走した馬の成績が伸びないという点にも通じる。8歳以上はここ10年で3着以内が無く、はっきり高齢馬が苦しいのがデータに表れているレース。 |
●脚質(過去10年)<追込は困難>
逃げ【2-0-2-7】
先行【2-5-4-28】
差し【5-1-4-42】
追込【1-4-0-44】
馬群がバラけやすく、見た目速そうに見えるレースが多いが、終いの時計がかかり、先行策でも押し切れる例がよく見られる。末脚勝負の馬は早めに仕掛けないと間に合わず、末脚の持続力が問われる。馬場の内外の差も少なく、大外一気の上がりの競馬に頼るスタイルでは、2着は獲れるものの勝つのは難しい。近年唯一追い込みで勝てたのは、京都開催でのディープインパクトだけ。 |
●枠順(過去11年・'06除く)<フラット>
1枠【1-1-3-9】
2枠【0-1-1-14】
3枠【3-1-1-13】
4枠【0-3-1-14】
5枠【1-2-2-15】
6枠【3-0-0-16】
7枠【0-1-1-19】
8枠【2-1-2-19】
最初の直線が長く馬群が崩れ易いため、枠順による有利不利はあまり無い。また、フルゲートになることも珍しい。 |
●臨戦過程(過去10年)<天皇賞・金鯱賞・安田記念組の三つ巴>
天皇賞(春) 【3-5-2-28】
金鯱賞 【3-3-3-24】
安田記念 【2-0-2-12】
QエリザベスC【1-0-0-1】(香港)
春の天皇賞・金鯱賞組の成績が良く、次いで安田記念組が信頼できる。ほとんどの連対馬は、この3レースからで占められている。今年から金鯱賞の役割は鳴尾記念が引き継いだので、このレースの上位馬には注目だ。天皇賞1着馬は連対率が高く、連勝例も多い。目黒記念からの出走馬は非常に厳しい結果になっている。基本的にどのレースでも前走連対していると有利だが、安田記念から連勝した馬は一頭も出ていない。 |
●牝馬(過去10年)<優勝は困難>
【1-2-0-6】
近年牝馬の出走自体が少ない方なので分析が難しいが、'05にスイープトウショウが優勝したのが、牝馬では2頭目で39年振りと、勝つのは大変難しい。ただ、GT馬が2着・3着に時々入ってくるので、馬券的にはヒモとして買うのが有効かも。 |