【レースの傾向】
度々物議をかもし出す難コース。スタート直後すぐに2コーナーに入るので、外枠の先行馬はやや強引に押して行かなくてはならず、結果折り合いを欠きやすくなる。一方、出負けすると、激しい序盤の位置取り合戦に遅れ、特に内側の枠の馬たちは思ったポジションを取れなくなる。どちらのケースも、その失敗を後で取り返すことが難しく、スタートだけで'The End'という馬が毎年必ず出てくる。スタート直後、スムーズにマイポジションを得られるかが、大きなポイント。その一方で、先行馬がどの枠に入るかで、ある程度ペースが読みやすい、とも言える。
馬場改修後は、スローペースからの上がり勝負になることもしばしばだが、いずれにしても道中は淀みの無い流れとなり、長い府中の直線をバテることなく、良い脚を使い続けることができるのが、勝つための必須条件。近年の勝ち馬のほとんどは、他の東京GT優勝やダービー2着など、高い東京適正を示している。
ただ、勝ち抜き制の廃止後、天皇賞(春・秋)の複数回制覇は8例あるが、秋の天皇賞を複数回優勝(連覇)しているのはシンボリクリスエスのみ。しかも、初年度は府中改装による中山代替開催だったので、東京2000mでの複数回優勝は一例も無く、コース適正が鍵になる反面、なぜか連覇は至難の業だ。
≪レース観戦のポイント=2角までの位置取り・末脚の持続力≫
|
●人気馬の信頼度(過去10年)<やや高い>
1番人気【5-2-1-2】
2番人気【0-2-3-5】
3番人気【1-0-1-8】
4番人気【2-1-1-6】
5番人気【1-1-0-8】
かつて1番人気馬の連敗が続いた時期があり、「秋の府中には魔物が住む。」などと言われていたが、近年その勝率が5割にまで上がり、オッズが低いほど、より信頼できる。2番人気馬の成績が今ひとつだが、3〜5番人気馬で4勝している。また紐に人気薄が飛び込むことは珍しくなく、相変わらず馬券予想は簡単ではない。 |
●年齢(過去10年)<4歳中心>
3歳【1-2-2-10】
4歳【6-2-3-33】
5歳【2-5-4-43】
6歳【0-1-1-27】
7上【1-0-0-26】
4歳馬が6勝。必ずといって良いほど馬券に絡み、三着に入ってこない方が珍しい。勝ち数では5歳馬がこれを追い、クラシック馬級の3歳馬も場合によっては勝ち負けになる。一昨年こそ8歳馬のカンパニーが優勝したが、それ以外の7歳以上はことごとく惨敗、高齢になるほど苦しく、年齢差がはっきり出ているレース。 |
●脚質(過去10年)<差し有利>
逃げ【0-1-1-8】
先行【2-3-2-30】
差し【8-4-6-55】
追込【0-2-1-46】
直線が長いので、逃げ馬はやはり苦しい。道中は中位でしっかり折り合いをつけて、広い馬場を存分に使って豪快に差してくるタイプの、東京巧者が最も有利。4コーナーで少々混雑する傾向があり、早めに抜け出して粘り込むタイプや、仮柵が施された馬場の良い内を一瞬の脚でスルスルと上手くすくえる様な器用さがある馬にも分がある。意外とシンガリ辺りから直線だけで一気に追い込んでくるのは難しいようだ。 |
●枠順(過去11年・'02除く)<真ん中枠が苦しい>
1枠【3-1-1-14】
2枠【1-1-2-15】
3枠【0-0-1-17】
4枠【0-3-2-15】
5枠【0-3-1-16】
6枠【0-0-2-18】
7枠【5-1-0-18】
8枠【1-1-1-24】
東京2000mは内枠有利と言われている。たしかにその通り1枠が3勝しているが、外枠はそれ以上の6勝、なんと7枠で半数を勝利していて、真ん中枠の勝ち数がないという極端な傾向。さすがに多頭数での大外は大変だが、要は出っ端でヘマをしないことが一番重要なようで、馬のゲートセンスがより序盤の展開の鍵を握っているようだ。 |
●臨戦過程(過去10年)<最近は京都大賞典組が苦戦>
毎日王冠 【3-2-3-52】
宝塚記念 【3-2-1-12】
京都大賞典 【1-2-1-16】
札幌記念 【1-0-2-6】
神戸新聞杯 【1-0-1-1】
過去10年、数字の上では毎日王冠組・京都大賞典組と宝塚記念直行組が主流だが、
'00〜'04あたりでは毎日王冠組は不振だった。最近は逆転し、毎日王冠組が優勢、京都大賞典組はここ5年で一頭も馬券に絡まない程、不振を極めている。宝塚記念上位入着からの直行は期待できる。またどのレースでも、前走連対していると好走率がグッと上がる。なお5ヶ月以上の休養明けで馬券に絡んだのは、過去10年でダイワスカーレットの二着が1回だけ。 |
●牝馬(過去10年)<大活躍>
【3-2-3-6】
最近では活躍目覚しく、他のGTに比べ、勝率・連対率・三着内率がとても高い。たとえ人気薄であろうとも見過ごすことはできない。 |